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ひゃくはち




監督:森義隆/テアトル新宿(再鑑賞↑)/★5(93点)本家公式サイト
女子高校生物の最高峰『リンダ リンダ リンダ』と双璧を成す男子高校生物の最高峰。白球ではなく泥だらけのボールを追う「嘘のない」物語。南と達ちゃんに観せてやりたい。(二度目の鑑賞でコメント修正)
事情があったにせよ、また観てしまった。一ヶ月足らずで再度映画館に足を運んだ映画は『アメリ』以来かもしれない。それほど気に入っている。

世間が高校野球に期待する「熱闘甲子園」的「汗と涙の美談」を期待したら失敗するだろう(その立ち位置として市川由衣はうまく機能している)。
ここに「白球の美学」という幻想は存在せず、泥だらけのボールばかりが映し出される。

タバコは吸う、酒は飲む、エロいお姉ちゃんに欲情する、監督はスカウトと癒着し、弱冠十八歳にして自分の限界を知る。
「タバコを取り上げてたら、県内の高校の半分は出場停止ですよ」といった台詞もあながち誇張とは言えないだろう。知らんけど。

そこにあるのは、幻想を打ち砕く「嘘のなさ」と「(今時の)男子高校生」。

劇中煩悩の話が出てくるが、男子高校生なんて108を優に超える煩悩を抱えている。いや、煩悩こそが男子高校生の原動力だと言ってもいい。それは今も昔も変わらんだろう。

そして少年達の精悍な面がまえ(高校球児好きは欲情するに違いない)。
バットスイング、ピッチング、ボールの汚れ方まで嘘がない。
お父さん光石研だしね。嘘がない。
走りっぷり、泣きっぷり、全てに嘘がない。

彼らが追っているのは白球なんかじゃない。泥だらけのボールなんだ!

この映画、最初に「世間的高校野球の美談」を破壊しておいて、それでも「清々しい青春物語」に持っていく。
ある意味、狡猾でもあるのだが、まんまと引っかかってしまった。
泣いたよ。二度観ても泣いた。

あのねえ、ここから先、ネタバレになるから未見の方は読まない方がいいと思うんですけど、もうね、実際の高校野球で伝令が出てきたら俺は泣く。
彼がどんな「戦場」を経て今日に至っているかと、勝手に想像するだけでもう正視できない。

もっとも、柳沢慎吾みたいな高校野球好きじゃないんで最近めっきり高校野球見ないんですけどね。

2008年8月9日公開(2008年 日)

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