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デトロイト・メタル・シティ




監督:李闘士男/新宿バルト9・シアター9/★2(45点)本家公式サイト

大森美香の苦労がしのばれる無難な映画。金髪松雪さんはサイコー。
原作はコミック1巻だけ読んでやめた。
読み続ければ違うのかもしれないけど、要するに「やりたいことと現実のギャップ」だけがこの話唯一の生命線で、この設定にまつわるエピソードの堂々巡りが続き、特別話が転がるわけでも誰かが成長したり何かが変化したりする気配がない。
このマンガを映画化したい企画意図は理解できるのですが、“物語”不在のドラマは単なるコントにしかならない気がするのです。

脚本を依頼された大森美香はさぞかし苦労したことでしょう。
もっとも彼女は、韓国映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー』のテレビドラマリメイクで、ヤクザの若頭が高校生になる、というギャップ物コメディーで実績があるにはあるんですが。

それで結局持ち出したのが、母子物語。
映画、というか脚本としては礼儀正しく、冒頭できちんと母子物宣言をしている。
加えて、学校教育的には正しい道徳観念として「夢は大切」みたいな要素を持ち込んできた。
(原作にもそういうエピソードがあるのかもしれませんが)

それらはクソ面白くもなんともない“物語”ではあるのですが、妥当な線だとは思うんです。自分がこの企画を脚本化するなら、たぶん同じことをしただろうなあ。
李闘士男の演出も『お父さんのバックドロップ』の時と同様、可もなく不可もなく無難な演出。
(あ、俺、『お父さんのバックドロップ』に4点付けてる。そんないい映画だったかな?)

これ、大手製作映画じゃなかったら違ったのかもしれません。

もっと炸裂したアングラ映画になってもよかったと思う。
だって唯一の生命線が「ポップカルチャー」と「デスメタル」のギャップコメディーなんでしょ。
音楽も小奇麗にまとまってて全体的に無難なんだけど、無難なコメディー、無難なデスメタルってどうなのよ。
いっそ三池崇史向きの話だったかもしれない。

マツケンをはじめ役者は頑張ってたんだけどねえ。松雪さんサイコー。

余談

かつてピカピカに光っていた宮崎美子は今や「良き母親」役でひっぱりだこのご様子。ちょっと前まで原日出子がひっぱりだこだったことを考えると、母親役も流行があるんだなあ。

2008年8月23日公開(2008年 東宝)

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