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8 1/2 <完全修復ニュープリント版>




監督:フェデリコ・フェリーニ/渋谷シアターイメージフォーラム/★5(98点)
本家公式サイト

心躍る大好きな映画なんだが、21世紀の今「傑作か?」と問われると疑問
なんでも25年ぶりのスクリーン上映とかで、[完全修復ニュープリント版]なる美しい状態で初のスクリーン鑑賞。感謝。私自身も約20年前にビデオで観て以来。嬉しい。

この映画、どこがどう面白いのか、実は私には説明できない。
ある意味「理屈抜きでおもしろい」ということなんだけど、この表現がよく用いられる娯楽映画のそれとは全く違う。

だってさあ、「とりあえずセット組んじゃったけどどんな映画撮るかまだ考えてないんだよね〜どうしようかな〜」と悩んだフェリーニが撮った「とりあえずセット組んじゃったけどどうしようかな〜と悩む映画監督の話」に見えるし、実際フェリーニはヘタウマ監督だと思うんですよ。そもそもフェリーニ映画は人物の立ち位置もよく分かんないし。

でもねえ、なんだか映画なんです。
説明不能な映画的高揚があるんです。
緻密な計算とか巧さとか関係ないところで、なんだか圧倒的な映画的瞬間が訪れるんです。
これはねえ、説明できねえんですよ。

だけど改めて観て、やっぱり60年代の映画なんだなあと。いや、映像は今観ても新鮮なんですが。

“混沌の時代の中で”「語るべき言葉がない」と悩む姿、自己の内面を見つめ、さらけ出し、さらに混乱する様は21世紀の今日には無い姿に思えるのです。
今は、同じ混沌の時代でも、混沌の時代であるが故“整理された情報”が与えられ、“表面上の言葉”に満足する時代に思えるのです。自己の内面を見つめるよりも手っ取り早い回答を求めてしまう。

理解できない=芸術(あるいは高尚)、とは思わないけれども(実際フェリーニ映画は高尚だとは思えない)、安易な結論を提示されるよりはるかに「面白い」と私は思うのです。この映画に限らず。
ま、ただのオッサンと言やあそれまでなんだけど。

日本公開2008年7月12日(1963年 伊)

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