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ハンティング・パーティ




監督:リチャード・シェパード/新宿武蔵野館/★3(65点)
(本家/goo movie公式サイト

社会派なんてほど遠いお気楽娯楽映画。『地獄のヒーロー』がジャーナリストに変わっただけに見える。
面白い映画ではあったのですが、社会派の面白さとは違う気がします。

「戦争犯罪人の居場所を探す」→「調べていくうちにもっと大きな陰謀に気付く」→「それを暴く」

というなら社会派足り得ます。

実際、国家や国連が「戦犯をわざと泳がせてるのか?」という状況がちょっと垣間見得ます。
でも垣間見えるだけで、その方向には向かわないのです。

そっちの方がよほど特ダネじゃないか。
ジャーナリストなんだから、報道で事態を解決しなさいよ。
それがジャーナリズム精神というもんじゃないんですか。

劇中何度もフィーチャーされるチャック・ノリス映画(「チャック・ノリス気取りの賞金稼ぎ」という台詞もある)とやってることは変わりません。
むしろ、チャック・ノリスの方がコマンダー精神に溢れてますよ。だってチャック・ノリスは何度も地獄をくぐり抜けてるんだぜ。

「民間人(ジャーナリストではあるが)が戦争犯罪人を捕まえた」っていう所が、この映画の面白さのポイントなんでしょうか?
それが「意外な事実」だと言うのでしょうか?
(サブキャラが実在した人物かどうかなんて映画の根幹に関係ない)
「とっ捕まえてめでたしめでたし」なんて、ジャーナリストの風上にも置けない。逆に争い事を助長してるじゃないか。
それが事実なんだから仕方がない・・・とは思いません。映画は事実を伝えるための道具じゃないんですから。

もし俺がリチャード・ギアだったら、捕まえたなら単独インタビューをしますがね。
私憤があるにせよ、それでも話を聞くのがプロの職業人だし、私憤に堪えてプロに徹する姿こそ見ていてグッとくるポイントだと思うんだけどな。
「なぜ戦争をしなければならなかったんだ」ってとこに切り込んで、初めて報道の役割を果たし、少しだけ世界から戦争をなくす役に立てるんじゃない?
もっとも、俺がリチャード・ギアだったらそんな面倒なとこ行かないで、都会でヒモになって遊んで暮らしてるだろうけど。

この映画は、社会派の内容を娯楽に仕上げたんじゃなくて、娯楽映画の設定に社会派的な内容を借りてきたにすぎないように思えます。

例えば、「サラエボ冬季五輪会場が今は地雷のせいでスキー場としても使えない」という話が出てきます。
言いたいことは分かりますし実際「へえ」とも思うのですが、それは現実の情報ではあるけれど、映画上は何ら意味を持たない情報なんです。
それをストーリーや設定に組み込めなければ、とても映画に消化(昇華)したとは言えません。

もしこの映画を深読みして評価するならば、現代を舞台に(チャック・ノリス的)ヒーロー映画を作るにはこれが最善の策だった、というところでしょうか。

IMDbではジャンルに[Comedy]って入ってるので、お気楽娯楽映画ってのはあながち間違いじゃないと思うんですがね。

日本公開2008年5月10日(2007年 米)

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