「贖罪」のままでよかったろうにどうしてテレサ・テンみたいな邦題にしたかね?なんてことはさておき、
所謂文芸大作と呼ばれる作品には「中身スカスカのくせしてご立派ぶりやがって」という『プライドと偏見』を持っている私ですが、この映画はコメントに書いた通り、というかコメントで言い尽くした感もあるんですが、非常に面白かったのです。
中でも、海岸のステディカム(だと思う)ワンカット長回しは圧巻で、その音楽の効果と併せて興奮した。
細かいところも巧いんだよね。
チョコレート屋が水着姿のキーラ・ナイトレイには目もくれず(それはキーラ・ナイトレイが劣化しているからではない)、子供部屋ではいやらしい視線を投げかけてるところなんかもう。あー、いやらしい。
なんてことはさておき。
戦場の男が、森の中で多数の少女の死体に出会うシーンがあります。
少女に殺された(破滅させられた)男が、少女の死を目の前にして涙を流すのです。
物語全体は“贖罪”の物語なのですが、このシーンは“赦し”の場面に思えるのです。
このシーンが現実だったのか、執筆上の創作だったのか分かりません。
仮に後者だとしたら、意図したか無意識か分かりませんが、執筆者である彼女の心理が現れたシーンだったのではないでしょうか。
三者三様の想いが切ない映画だと思います。
今回のコメントはたいしたこと言ってねえな。
日本公開2008年4月12日(2007年 英)
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