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クローバーフィールド HAKAISHA




監督:マット・リーヴス/ユナイテッドシネマ豊島園/★4(83点)本家公式サイト

現在の手法と技術を駆使した『鳥』。ハンディカメラ映像というフィルター越しの臨場感と安心感。
未見の方はここから先のレビューはもちろん、一切情報を仕入れないで鑑賞することをお勧めします。宣伝などもかなり情報を制限しているので準じましょう。邦題は“墓石屋”なんて余計な情報が付いてますが。

なんで情報を制限しているのかを推測すると、基本的に「ビックリ!映画」だから。
そして、ジャンルとして、テロや災害の体の方が一般受けするという宣伝戦略もあるのでしょう。推測ですが。

ハンディ映像自体は特別新しい手法ではなく、ハメ撮りなんかで散々見ているわけですけど、そこに特撮持ってきたってのは凄い技術なんじゃないかと思うんです。だってさあ、モーションコントロールでカメラの動きを制御しているようには見えないわけでしょ。それとも手ブレ映像に後からCG描くのかなあ。凄い手間だなあ。一番簡単なのは本当に自由の女神の首を転がすことなんだけどね。

で、映画自体は非常に『鳥』だと思うんです。
『ラスト、コーション』でも『ノーカントリー』でも今年はヒッチ先生を引き合いに出すことが多くて自分でも嫌になるんですが、この映画は『鳥』です。キッパリ。
なぜそういう事態が発生したのか解明しないのもそうだし、音楽を(ほとんど)使用しないのも、最初の頃グダグダ恋愛物やってるのもそう。

で、『鳥』の時のヒッチ先生の目的は、「新しい恐怖描写」と「単純に観客を怖がらせること」。
『クローバーフィールド』も同じじゃないかと思うんです。
ヒッチ先生の時代にはハンディ映像(=素人映像)が世の中にほとんど無かったわけですから、本作は今だから出来た映画(映像)と言えるわけです。

そして、9・11を見てしまったからなおさら、ハンディ映像に臨場感を感じてしまう気がするんです。

しかしこれは不思議なもんで、例えば、友人が海外旅行に行って偶然目の前で起きた銃撃戦を撮影したとします。その映像を見たら「すげえ!」って思うでしょ。
この映画の臨場感は「すげえ!」なんだと思うんです。
でも、自分が旅行先で銃撃戦に巻き込まれたらどうでしょう?それは「怖い」だと思うんですよね。

この映画、「すげえ!」臨場感で、kiona氏が言う通り見たかった映像満載で面白かったんですが、実は誰かが見たことの“追体験”のポジションに観客は置かれているんですね。
“自分がその場にいる”臨場感とはちょっと違う気もするのです。
いや、観客は常に傍観者にすぎないなんですが、多少なりとも登場人物に感情移入して泣いたり笑ったり怖がったりするわけでしょ。そうしたいわけでしょ。
この手法だと、「俺が追われている」「助けてくれー!」って感覚が無い気がするんですよ。これ、フェイク・ドキュメンタリーの盲点なのかもしれないなあ。

あー、でもあれかなあ、目の前で着替えを見るより盗撮の方が興奮するってやつかなあ。

日本公開2008年4月5日(2008年 米)

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