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点と線




テレ朝特番(2夜連続)/脚本:竹山洋/★2公式サイト

頑張ってるのはよく分かるが、無理矢理2夜連続にするためテンポが悪くなっている。正直、この話に4時間も要らない。
実際見てみて、「いまさら」そして「やっぱりな」ってのが率直な感想。

この原作は、松本清張初の長編推理小説で、日本ミステリー史の中で重要な作品であることは間違いないのだが、数ある松本清張作品の中でも“謎解き”としては「出来の悪い」部類だと私は思っている。

というのも、松本清張作品の魅力は「トリック崩し」ではない。
それまでの探偵小説にありがちだった大仰な文体を著しく抑えた文学性、
それまでの推理小説にありがちだった非日常的な話を避けたリアルな社会性、
それが(当時)斬新だったのであり、「社会派推理小説」の草分けと言われる由縁である。
だから日本ミステリー史上重要な作品であり、今読んでも面白いのだ。

ところが「点と線」のトリックは、(今となってはアリバイ工作が噴飯物であることを差し引いても)実に穴だらけで、犯人側の拠り所は“空白の4分間”の目撃証言しかない。
これ、警察側が“空白の4分間”に気付かなかったら、「偽証」あるいは「誤認」として処理されてしまう程度の証言にすぎないじゃない。アリバイに関してもまず共犯者の線を探るべきだと思うしね。

テレ朝は「映像化不可能と言われた不朽の名作を・・・」と宣伝していたが、
「不朽の名作」については“日本ミステリー史上の重要な作品”という意味に於いて間違いではないが、「映像化不可能」については“映像化する価値がない”から映像化されなかっただけだと思う(正確には一度映画化されてるらしいけど)。
絶対に“当時”の設定を崩せないしね。

ただ一つ、この「点と線」に於ける松本清張の話の凄い所は、捜査一課ではなく捜査二課がメインである点。つまり、単なる殺人事件の犯人探しではなく、汚職事件という巨悪に挑む男達の話である点である。
「地方海岸の小さな心中事件」が「巨悪を暴く」話に至る点がこの小説の「ミステリーの醍醐味」なのだ。
このドラマ、その点も決して上手とは言えず、最終的に個人的な話にまとめてしまった。

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