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天国と地獄




テレ朝特番/演出・脚色:鶴橋康夫/脚本:一応オリジナルメンバー/★3公式サイト

リメイクの時代性
如何せんストーリー自体が面白いもんだから、超豪華キャストと併せてつい見てしまう。
オリジナルを知らなければ充分楽しめる出来。
逆光キラキラ、無駄なガラス越しショット、海辺ショット等々鶴橋康夫の特徴も楽しめる(笑える)しね。
そう、オリジナルを知らなければ。

ドラマは舞台を小樽に移し、“今”に移した。
小樽は別にいいんだが、“今”に移すのはどうしても限界が生じる。
(元々現代劇だから一見無理がないように見えるのだが)

今に移した必然として当然身代金の金額が高くなるから、“12cmの鞄”では足らなくなる。
だいたい今の特急はトイレの窓も開かないしね。
ダイオキシンの関係で今時焼却炉も無い。海辺でボロ船燃やしてるのも無理があれば、そこから「病院の研修医だ」って推測するのはもっと無理があった。
そして当然カラー作品なわけだ。白黒映画であるが故のインパクトは当然なくなってしまう。
あの煙と12cmの鞄の意味に衝撃を受けた身としては、もはやそこには「何も観るべき点が無い」と言い切ってもいいほど、リメイクする意味が見出せない。

だいたいさあ、犯人が「犬が西向きゃ尾は東」みたいなことを言うでしょ。いや、そんな事は言わない。「冬は寒くて眠れない。夏は暑くて眠れない」って言うんだ。
21世紀の今日、そんなアパートに住んでる26歳の研修医という設定に、どれほどの説得力があると思う?

つまり、作品、特に“傑作”と呼ばれる作品は、それが生み出される“必然”がどこかに介在していて、その重要な要素の一つに“時代”というものがあるんじゃないかと思うんだ。「時代の後押し」とでも言うのかな。
仮に同じカット割で『犬神家の一族』をリメイクしたところで、何か物足りないのは、役者ウンヌン演出ウンヌンだけではない気がするのですよ。

いや、もちろん、リメイクでも傑作はありますよ。すぐには思い出せないけど。
だけどそれは、「今でも通用する」からリメイクしたんじゃ、やっぱりオリジナルにはかなわないんだ。
「今だからこそ」リメイクする意味がある作品でなければ、単なる焼き直しで終わってしまうんじゃないだろうか。

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