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あゝひめゆりの塔




監督:舛田利雄/BS/★4(77点)再鑑賞→(本家

職人監督舛田利雄の渾身の一作かもしれない
制作から約20年後に初鑑賞。それからさらに約20年経過した制作約40年後に再鑑賞。

現代から始まる冒頭シーンがこの映画の企画意図を物語っているのだろう。

この冒頭シーン、初鑑賞時はちょっと驚き(まだ若かったんだな)、現代(当時。と言っても40年後の今でもあまり変わらない)に警鐘を鳴らす印象が強かった。
再鑑賞して感じたのは、むしろ青春映画としての前提。
現代に対する否定的な意味合いよりも、「彼女達も君たちと同じ青春時代があったんだ」「そんな青春真っ只中で命を終えた彼女達を忘れないでくれ」という制作者の想いの方を強く感じた。「戦争を知らない子供たち」に「何かを伝えたい。残したい。」という想いをストレートに感じた。

ベトナム戦争が泥沼化し、本当に「戦争を知らない子供たち」が社会に巣立っている時代背景だからこそ、この企画に意味があったのだろう。
劇中頻繁に歌を歌い、「娯楽はそれしかないのか」と思うと楽しいはずのシーンもかえって悲しくなってくる(今ならさしずめカラオケに興じる女子高生だろうか?)。
歌いながら男子部とすれ違う視線の絡み合いが唯一謳歌した青春。
この映画は、短い青春を丁寧に描くことで戦争の悲惨さを際立たせることに成功している。

裕次郎映画から『宇宙戦艦ヤマト』まで、黒澤の代打(『トラ、トラ、トラ』)から工藤栄一・深作欣二の後任(『必殺!5』)まで、さだまさしが朗々と歌う『二百三高地』からマッチが軽々と歌う『ハイティーン・ブギ』まで、与えられた企画物の雄=舛田(少しは仕事選べよ!)利雄の渾身の一作ではないだろうか。

(1968年 日活)

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