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アヒルと鴨のコインロッカー




監督:中村義洋/恵比寿ガーデンシネマ/★4(80点)
本家goo movie公式サイト

三角形のハードボイルド。グッときた。(その理由はネタバレ抜きで語れない)
原作は全く知らないので、映画だけを素直に読み解くことにする。

物語は、ほぼ常に男2女1の三角形で進行する。
瑛太と松田龍平の琴美。ストーリーの語り部である主人公・椎名と瑛太の大塚寧々。アヒルと鴨のコインロッカー。ついでに言えば、悪役も男2女1なんだが。

面白かった。初めて観た監督なのでその力量はよく分からないが、話を損なわない安定した演出をしていると思う。だが多分、本作の面白さは原作と役者達に依っている可能性も否定できない。
正直、「アヒルと鴨のコインロッカー」に意味があることに少しガッカリしたのだが。
もっと分かりにくい“暗喩”でよかったと思う。

(ここから先、なるべくボカして書きますがひどいネタバレを含みます。未見の方は読まないことをお勧めします)

全貌が明らかになった時、グッときた。正直泣いた。
どうやら私は復讐劇にグッとくるらしい。復讐を果たした爽快感を楽しんでいるのではない。長い準備期間の“忍耐”にグッとくるようだ。

「隣の部屋が再来年空く」という台詞がある。
その再来年が“今”なのだ。その1年から2年の間ジッと待っていたのだ。
その間、一体何を考え、どういう思いで過ごしてきたのか。どれほど長く感じられたことだろう。そうした時間を(勝手に)推測して泣きたくなる。

孤独な留学生。たった二人の友人。一度誰かと過ごしてしまうと、その喪失後は一層孤独を感じるという。ましてやここは他国なのだ。
「悪事を働くと生まれ変わって罰を受ける」と信じている男が、己の手で罰することを決意するに充分な環境。例えそれによって、自分が来世で罰を受けることになっても。

これはハードボイルドだ。
誰のためでもなく、己のために立ち上がる男の物語だから。

2007年6月23日公開(2006年 アミューズ他制作=配給ザナドゥー)

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