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ゾディアック




監督:デヴィッド・フィンチャー/新宿ジョイシネマ/★4(77点)
本家goo movie公式サイト

デヴィッド・フィンチャーはヒッチコックの進化系かもしれない。
デヴィッド・フィンチャー“アタリ”“ハズレ”の法則に従うと

 ハズレ『エイリアン3』
 アタリ『セブン』
 ハズレ『ゲーム』
 アタリ『ファイト・クラブ』
 ハズレ『パニック・ルーム』

ということになるので、今回はアタリの回。個人的には『パニックルーム』は嫌いじゃないんだが。

どうしても『セブン』の印象が強いようだが、フィンチャー作品はミステリーよりもサスペンス要素の強い作風だと思う。正確にはヒッチコック色。それは本作も同様。

例えば、終盤の謎解きをメインとするなら、あんな執拗に殺人シーンを描写する必要はない。
もちろん猟奇的な事件だという印象を観客に与える意図はあるのだが、それにしたってあそこまでアップでリアルにナイフめった刺しにするこたぁない。引きの絵だって充分だったはずだ。

要するに「やりたい」のだ。

ところが、ヒッチ先生大好きデ・パルマ君と大いに違うのは、「観客のツボを心得ている」という点にあると思う。
いや、アタリ・ハズレはあるんだけどさ。
いや、デ・パルマも俺にはツボなんだけどさ。
もう少し言うと、我慢がきくと言うか、「ここは多少モタついても丁寧に描かないと説得力ないよね」ということが分かっているのだと思う。
これがデ・パルマだったら「いいやいいや、流麗なカット割で済ましちゃえ」的になると思う。
もし本作をデ・パルマが監督していたら、終盤の謎解きの説得力なんか全然無かったんじゃないだろうか。俺はそんなデ・パルマが好きだ(あれ?言ってることがおかしいぞ?)。

先程から「謎解き」と書いているが、実はこの映画、謎解きの面白さがメインではなく、“謎に魅入られた男達が堕ちていく”面白さなんだと思う。

『トイストーリー』のウッディ似の主人公ばかりではない。コロンボ似の刑事も、長澤まさみちゃんの「セーラー服と機関銃」の刑事役だった役者に似ている先輩記者も(あー、説明がややこしい)、皆堕ちていく。
そのスリリングな様が、「ミステリーよりもサスペンス」ではないだろうか。
ま、暗号を解く解かないはあんまり意味がない気もするが。

ついでだが、フィンチャーは文字の出し方に凝るようで。
タイトルテロップもさることながら、エンディングロール(ロールしてないんだが)がタイプ文字だなんて、洒落てるじゃないか。

日本公開2007年6月16日(2007 Warner Bros. Ent. And Paramount Pictures)

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