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舞妓Haaaan!!!




監督:水田伸生/新宿コマ東宝/★2(42点)
本家goo movie公式サイト

なるほど。東宝・植木等シリーズがやりたかったんだ。
とりあえず、綺麗な柴咲コウもさることながら、可愛い小出早織を楽しむ映画。
本音は、野球で言えば直球一本やりの緩急・高低のない映画。

ハイテンションムービーを謳っているんだから「緩急なんか関係ないじゃん!」と言われそうだが、少なくともクドカンの脚本はテンションだけで押し切るストーリー展開じゃない。

これはクドカン脚本の特徴の一つだが、決まって泣かせのポイントがある。
正面から泣かせる場面なんてのは恥ずかしくて書けない人だから、笑わせながら泣いたり泣かせながら笑わせたりするのだが、この映画も例外ではない。

(以下激しいネタバレ含むので、未見の方は読まないでね)

柴咲コウとの再会、野球拳等々から、小出早織出生の秘密をカットバックしつつ、大文字焼きに至るクダリは、本来泣かせポイントだったはずである。
パンツ一丁で走る様は、可笑しいながらも切ないシーンであるはずだった。

ところが、監督がその場面を「お笑い」としか捉えられなかった。
テレビ演出家上がりの監督は、一つの画面に複数の情報を詰め込めないのだ。

この一連のクダリには構成上も問題があって、いきなり大文字焼きでオチにするのは誤りだ。
「大文字焼きで気持ちを伝えるんだ!」という情報を先に観客に与え、そこに向けて奔走する姿こそ観客の胸を打ったはずだ。
そこまでバカバカしいくらい順調に何事も成功してきた男が、たった一人の女のために初めて汗水垂らして泥だらけになって、初めて観客に伝わるのだ。
これはヒッチ先生の爆弾理論と同じ。
「いきなり爆発しても観客は一瞬驚くだけ。爆弾があることを先に観客に明かして緊張感を保つんだ。」

(激しいネタバレここまで)

で、こんなことを書いていて、ふと気付いた。
あのバカバカしいほど順調な主人公のサクセスストーリーは「無責任シリーズ」や「日本一の男シリーズ」だったのだ。このストーリー自体が「スーダラ節」なのだ。
実際【植木等】が出演しているが(これが遺作になるのか)、俺はなんと気付くのが遅かったのか。
なるほど、そう考えるとこの脚本は良く出来ている気がする。

だがやっぱり演出は納得いかない。この監督のことは全く知らなかったし『花田少年史』も観ていないが、観始めて早々に「あ、テレビ演出の人だな」とすぐに分かる。
しつこいようだが画面の中の情報量が非常に少ない。

だいたいお茶屋の敷居の高さが感じられない。その魅力も伝わらない。
「これだったらキャバクラの方がいいじゃん」と思っちゃったもん。

余談

サイトの管理人からスタートして、実際にお茶屋に出入りするようになったら、一切書き込みをしなくなる辺りは、脚本の不備なのか、意図的なのか。
後者だとすれば、仮想世界への非難とも受け止められ、こうして我々がネットで映画評を書くこともその対象なんだろう。

2007年6月16日公開(2007年 日テレ他=東宝配給)

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