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月曜日のユカ




監督:中平康/ラピュタ阿佐ヶ谷/★4(80点)
本家goo movie

当時観たら鼻についたかもしれないが、今観ると斬新で、むしろ感心すらする。
1964(昭和39)年に制作された本作は、4、5年前に起きたヌーヴェル・バーグを充分に意識(真似)し、市川崑が1961年に放った『黒い十人の女』をさらに進化させたフランス映画風・和製「女はワカラン」映画と言えよう。

主人公・ユカよりも奔放な中平康の演出は、あらゆる技法もさることながら、加賀まりこのとらえ方が実にヌーヴェル・バーグのミューズ風である。
冒頭の「コーヒー色の肌」のピロートークは『軽蔑』のBBを、男二人の間で揺れる終盤は『ジュールとジム』のジャンヌ・モローまでをも彷彿とさせる。
(ちなみにこれは日活映画だが、加賀まりこは松竹の所属)

おそらく、戦後、外人相手の娼婦をしていた母親の下に産まれたと思われるユカ(戦後19年目の作品で18歳という設定)。
彼女は“父の愛”を知らないのだろう。
愛されることを知らない彼女は、神への愛と異性への愛の区別も曖昧で、己の愛情の表現方法すら解らず、持て余しているようにさえ見える。

凌辱されて唇を拭いながら見るドーンとでっかいアメリカ商船は、戦後日本の“今”(<当時の)をも思い起こさせる。
そう、ユカこそ戦後日本の落とし子なのに違いない。

こうした描写に、単なる「風俗映画」に終わらない、当時の“邦画”制作者達の気概が感じられて感心する。

余談

企画に水の江滝子の名があり(つーか、脚本倉本聰だったのかい)、これはあくまで推測だが、水の江滝子自身の愛人実体験が話のベースではなかろうか。ちなみに水の江滝子のパトロンは自殺しているそうだ。

(1964年 日活)

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