November 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

夏の庭 The Friends



監督:相米慎二/シネマアートン下北沢/★2(28点)
本家goo movie
劇中『トトロ』を歌ったのに愕然とした。映画として『トトロ』より20年遅れている。
最初にお断りしておきますが、相米嫌いです。
80年代の(今にして思えば)人をナめたアイドル映画群でウンザリし、(今にして思えば)充実期と思われる90年代作品を全く観てなかったんですね。結果として遺作となった2000年代作品『風花』は観たんですが。
たまたま原作を読んでいたこともあり(原作もあまり感心しなかったが)、スクリーンで観られる機会があったので足を運んでみたわけです。
珍しく「女優物」じゃなかったし、かえってこうした題材の方が向いてる人なのかもしれない、今観れば少しは違った感想が持てるかも・・・

やっぱり肌が合わなかった。

この90年代相米作品、それまでのデタラメさに加えて“あざとさ”が目立つ。
だってさあ、思いっきりネタバレなんだけど、亡くなった老人を子供達が見つけてウジャウジャやってる長回しがあるじゃない。そんなテレビ画面でも分かりやすいサイズで真正面から撮っちゃうんだ。へえ、子供達いきなり泣き出すんだ。だって「死ぬってなんだろう?」からスタートしてるんでしょ。しばらく呆然としてるもんじゃない?淡島千景のタメより、こっちが本来のテーマなんじゃない?

だいたい冒頭の「土砂降りのサッカー試合」からして意味が分からん。
いくらサッカーが雨でも試合するからって、小学生の練習試合だろ?なんで土砂降りの中でやってんのさ。不自然だろ。

不自然ってことは、そこに“意味”があると受け止められる。
実際、台風などの雨の中、子供達はいつも傘をささない。
一方爺さんは晴れでも傘さして歩いている。
その他、突然の雨に主人公が差し出す青い傘や戸田菜穂の眩しい白い日傘など、この映画には雨や傘が印象的に使われている。
使われているのは分かるがその意味が分からない。

要するに、改めて観直しても相米慎二はデタラメなのだ。
爺さんが橋を歩いて子供達が川歩いて上下に写ったら面白いだろうな、程度なのだ。
子供の撮影するビデオカメラ目線で葬式撮ったら受けるかな、程度なのだ。
地下鉄の通気孔から吹き出す風で女子高生のスカートがめくれたらカ・イ・カ・ンだろうな、程度なのだ。

そうしたデタラメさ(計画性の無さ)自体は時として凄いことになったりする。
例えばフェリーニはデタラメの見本だが、『甘い生活』のキリスト像空輸とか『8 1/2』のお祭り騒ぎとか、そのデタラメが物凄い映画的瞬間を生み出したりする。

キネ旬なんかで相米作品を評価する人は、そのデタラメさの中に映画的瞬間を見出していたのだろう。それは分からんではない。
だが俺はダメだ。
デブがプールで溺れるエピソードも意味が分からなければ、その後4人で浮かんでる描写なんか昭和50年代級でホント嫌になった。
子供は常に絶叫してるしいい加減なレフの使い方だし命綱のピアノ線は見えるし、これ本当に『トトロ』以後の映画か?

(1994年 読売テレビ)113分

comments

   

trackback

pagetop