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悪魔の手毬唄(1961)

監督:渡辺邦男/ラピュタ阿佐ヶ谷/★2(21点)
本家goo movie
今となっては、「健さんってヤクザもんになる前は探偵だったんだぜ。俺、見たもん」と言うためだけに存在している映画。
と言いつつ、言いたいことは山ほどある。

この映画の制作は1961(昭和36)年。
物の本によれば、日本の映画人口が最も多かったのが1958年、映画館数および日本映画封切り本数が最も多かったのが1960年とされている。
つまりこの映画制作当時、日本の映画産業はやや斜陽になりつつあるも、まだまだ「最盛期」と呼べる時代だったと言える。

この映画に登場する金田一は、サングラスにジャケット、スポーツカーを乗り回し、美人秘書を抱えている。まるで明智小五郎だ。助手を使いたがったり、人前で自慢げに推理を披露したりするところまで本当に明智小五郎(笑)。
もっとも、小説はともかく、今定着している映像的な明智小五郎イメージはもっと後の天知茂のような気もするが。

各社ほぼ毎週2本立て新作を公開していたこの「最盛期」は、日本映画「乱造期」でもあった。

私が推理するに、「明智も金田一も関係ねえんだ!企画不足なんだよ企画不足!」というのが制作側の本音だったに違いない。
当時の観客に分かりやすい「探偵=超人」イメージであればナンでもよかったのだ。
それがシリーズ化できればなおよし。看板シリーズに育てばもっとよし。その程度の映画作りの姿勢が透けて見える。

実は初めて気付いたのだが、任侠物以前の東映は探偵シリーズをよく作っていたようで(正確には時代劇と任侠物の両人気シリーズの谷間だったようだ)、本作以前も片岡千恵蔵のスーツ姿金田一シリーズ(東横→東映)、少年探偵団シリーズ(明智小五郎は岡田英次)をやっていた。
私の調べでは、東映金田一シリーズ最後の作品が本作「高倉金田一」で、東映少年探偵団シリーズ最後は『少年探偵団 敵は原子潜航挺』という作品で、明智小五郎役として梅宮辰夫が映画デビューしているようだ。

時代劇と任侠シリーズの谷間、映画斜陽の始まり時期、新しい映画スターの登場、といった、大きな分岐点に誕生した一つの作品として大変興味深い。
ただ、高倉健&金田一耕助を一流俳優&一流探偵と見る今日の目では「珍品」にすぎないが。

余談

どうしてこんなことを調べたかというと、この映画の見慣れない会社名が気になったのだ。
波がドーン!で始まる東映マークではなく、火山がドカーン!「ニュー東映」だったのだ。
ニュー東映?初めて見た。

どうやら、時代劇当たって業界ナンバー1にも立ったりした東映がいい気になって「制作本数を倍にする」計画で1960年に第二東映なる会社を作ったらしい。翌61年にはニュー東映に会社名を改め、翌62年には解散している。

1961年11月15日公開(1961年 ニュー東映)

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