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さくらん




監督:蜷川実花/新宿ジョイシネマ/★3(52点)
本家goo movie公式サイト

『マリー・アントワネット』vs『さくらん』。女子大生vs女子高生。
私は『マリー・アントワネット』を女子大生青春物語と評し、監督(超有名演出家の娘)、設定(コスチュームプレイ)など『さくらん』との類似点を指摘していた。

『さくらん』は女子高生だ(笑)

いや、正確にはこの映画、大変バランスが悪く、女子高生と思えるのはその一部分にすぎないのだが。
何がどうバランスが悪いかというと、基本的にあれこれ盛り込みすぎで消化(昇華)しきれていない感じを受ける。

最たる例は椎名林檎の音楽で(椎名林檎ファンから言わせてもらえば、あれは斉藤ネコの音楽なのだが)、椎名林檎ファンだからかもしれないが、音楽が邪魔。
まるで少女マンガの如き(少女マンガなのだが)濃い背景に線の細いキャラクターが載った画面に対し歌の個性が強すぎる。この歌に対抗できる艶っぽさを醸し出していたのは木村佳乃だけで(夏木マリは別格だが)、男優陣に至っては少女マンガよろしく(だから少女マンガだって)主人公に(良くも悪くも)都合良く登場する美男子君達にすぎない。
なあに、終わってみれば、「遅刻しちゃう!」とトーストくわえて走ってる時に曲がり角でぶつかったアイツが転校生。最初は嫌な奴だと思ったけど・・・みたいなもんじゃないか。

籠の中の鳥ならぬ鉢の中の金魚に例え(見りゃ分かるものを何度も何度も台詞で言いやがって!)、花街の日常に女子校の休み時間さながらの賑やかさを持ち込んだのは、安野モヨコの原作か監督の手腕か。
いずれにせよ(稚拙さは目立つものの)「女性視点」の映画であることに間違いはなく、私に「『マリー・アントワネット』と『さくらん』に見るフェミニズムの変遷」という論文を書かせようという意欲を奮い立たせた映画ではある。書かないけど。

2007年2月24日公開(2006年 アスミックエース配給)

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