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悪夢探偵




監督:塚本晋也/渋谷シネセゾン/★3(60点)
本家goo movie公式サイト

ヌリカベ龍平が初めて松田優作の息子に見えた映画。一も二もなくhitomiに尽きる。
「都市と肉体」を描き続ける自主制作映画作家・塚本晋也。
監督・脚本・撮影・美術・編集・出演って、毎度毎度ホント自主制作だな。

ここ数作「肉体の内側=精神」に近づいていたが、久しぶりに『鉄男』の世界に戻った気もする。

東京で生まれ育ち「ビルが建ち並ぶ様が好きだった」、その一方で「圧迫感を感じ始めた」と塚本晋也は語っていたことがある。「好きだけど壊したい」そんなコンクリートジャングルに対する思いがあるという。
本作の登場人物達はまさしく塚本晋也自身だ。
都市生活の中でえも言われぬ「圧迫感」を感じている者達であり、「破壊衝動」を秘めている。『鉄男』の破壊対象は“都市”だったが、本作は“肉体”に向けられる。
「平和ボケ」「覚醒」という単語が用いられ、明確に「都市の中に於ける肉体の復権」が叫ばれる。

常に塚本映画は、「真実に基づいた感動ストーリー」という流行りの現実的設定嘘話とは対極だ。
SF的異常な設定の下で痛みを伴う肉体が存在し、感情の流れも非常にリアルである。
ま、これは私が毎度言ってることなのだが。

ところが今回はチト事情が違う。
それは、一も二もなくhitomiに尽きる。
「良くも悪くも」ではない。「悪くも悪くも」hitomiに尽きる。
この映画の狂言回し(語り部)は彼女なのだが、これがヒドイ。
何がビックリするって、1センテンスまともにしゃべれない。
単語が2つ並ぶともうダメ。6文字以上の単語はお手上げ。
ちーっとも語り部になってない。

なもんだから、彼女の感情の流れが自然に思えない。
どうしてバリバリのキャリアがすんなり「悪夢探偵」なんか信じるかね。自らの命を張ろうとするかね。
いや、これは演技力が伴えば素直にノレるのだ。観ていて自然に思える範囲なのだ。
要するに話は一切破綻していない。
大変残念な結果だと言っていい。いや、それはそれで楽しんだんだけどね。
思いの外、ヌリカベは良かったよ。

余談

どうやら塚本晋也は「脚フェチ」のようだ。思い返せば、エロス全開『六月の蛇』でも「胸」を強調することはなく、常に「脚」だった気がする。

2007年1月13日公開(2006年 日)106分

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