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武士の一分


武士の一分

監督:山田洋次/渋谷シネパレス/★3(65点)
本家goo movie公式サイト
時代劇としては腹八分
山田洋次曰く「キムタクを木村拓哉にしてやった」そうだが、日本アカデミーを辞退したことで「山田洋次の顔に泥を塗った」(by日刊ゲンダイ)などと言われるなど、おそらく2006年最大の話題作だったろう。
その話題、あるいはキムタクに釣られて珍しく映画館に足を運び、ポップコーンをバリバリ喰ったり上映中に携帯でメール打ったりする愚民ども(こうした人種を最近私は“ビッグマックを喰うような連中”と呼んでいる)には、とうてい理解できない“品格”を持った映画。

しかし山田洋次時代劇三部作(なのか今後も撮る気なのか知らないが)の三作目の本作は、今までで一番ちっちゃい話。撃つべき相手も小物なら、こんな夫婦間の問題、「必殺」シリーズなんかで嫌ってほど見たぞ。

山田洋次の時代劇は、大変見事な「序破急」で構成され、「刃を抜くまでのドラマ」に重きを置く。
今回山田洋次は、そのほとんど総てを「室内劇」にした。わざと空間的広がりを抑制し、初めて屋外に持ち出した決闘場面をより鮮烈にしようとしているのだろう。そしてそれは主人公の感情の流れと合致する・・・のだろう。

正直、成功しているとは思えない。

この程度の品格、風格は山田洋次時代劇ではもはや「当り前」。申し訳ないが、これは三作目の宿命だ。
キムタクどうこう以前に(彼は決して悪くなかったと思う)、抑制した空間が物語自体を抑制したまま終わってしまった感がある。

余談だが、山田洋次時代劇はいつもマヌケな決着な気がする。
そこがリアリティーと言えばそうなのだが、どうも時代劇としては腹八分。
私が『隠し剣』が最も好きな理由は、撃つべき相手も大物なら決着もシュッとしているからである。

2006年12月1日公開(2006年 松竹)

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