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ビッグ・ヒット




監督:カーク・ウォン/VTR/★3(65点)
本家goo movie

実は大変深い思想に満ちた作品である。
ハリウッドに於いて、日本より中国、殊に香港は進んだ国である。
日本人監督がハリウッドで成功するのはこの何年も後、清水崇までないが、この映画の時点で既にジョン・ウーはハリウッドに於ける成功者として製作総指揮を務め、その仲間(子分?)を監督として招聘している。
日本人成金が映画制作に失敗したという設定の本作は、香港人制作者達の「ざまあみろ日本人!ざまあみろ!」という思惑が読み取れるのである。

ところが、その日本人が親分と繋がっていたという事態に進展する。そう、この映画の制作はトライスター。コロンビア映画の製作部門。そのコロンビアは日本企業ソニーに買収されている。
「ざまあみろ日本人!」と香港人が描写して喜んでいたこの映画は、日本企業の資金で作られていたのである。その暗喩が「日本人が親分と繋がっていた」という状況に繋がるのである。

アメリカ中産階級の“画一的郊外住宅”の描写がある。隣人宅と誤ったり、一斉に芝刈りを始める描写がそれである。
残念ながら「隣宅と誤る」ことはクライマックスに活かされず、一過性のコメディー描写に終わっているが、この視点は先進的である。
同じくアメリカ中産階級を舞台としてアカデミーを受賞する『アメリカン・ビューティー』は、実に本作の翌年なのである。
「誰にも嫌われたくない」という本作の主人公のキャラクター設定は、当時のアメリカ中産階級の代表的思考と言っていい。宗教問題も含め、思想的に大変深い映画である。

大嘘。

(1988年 米)

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