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北の零年




監督:行定勲/TV/★3(55点)
本家goo movie

行定はこの映画の趣旨を大変よく理解していたと思う。
映画館でのめり込んで観ていたら腹が立ったかもしれないが、一歩引いて客観的に観られるテレビ鑑賞だったので、むしろ少し面白く感じられた。

もしこの物語を正しく理解していたならこのキャストではないだろう。
武士の妻としての気品と、母娘だけで生き抜ける芯の強さ、そうさなあ、例えば原田美枝子なんかどうだろう?
本当ならもっと適切な脚本家を擁して、今村昌平あたりが観ていて嫌な気分になるようなドスゴイ映画にしたっていいくらいの題材かもしれない。

だがそんなことを言っても仕方がない。これは「まず吉永小百合ありき」の企画なのだ。
北の地の果ての大地で繰り広げられるドスゴイ人間ドラマなぞ期待する方が間違っているのである。
むしろ「ファンタジー」に持っていった行定の手腕を褒めるべきだ。

この映画で一番凄いのは、吉永小百合がほぼ一切何ら労働らしい労働をしていないことにある。
それでもラスト、見事な辻褄合わせ(イマイチ合っていない気もするが)によって、まるで竣工式の形式的な鍬入れみたいなことで、なんとなく格好をつけてしまう。これはちょっと凄いと思った。

適当に予告編向きの映像も散りばめながら、こうした行定のそこそこの安定性(あるいは没作家性)が重宝がられるところなんだと思う。
こういう仕事は塚本晋也や黒沢清にはできない、とちょっと感心した。

2005年1月15日公開(2004年 東映)

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