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グエムル - 漢江の怪物 -




監督:ポン・ジュノ/新宿東亜興行/★2(40点)
本家goo movie公式サイト

俺が韓国人だったら面白かったかもしれない
ネタバレを避けるために言葉を選んだ結果、この監督の前作『殺人の追憶』と同じコメントになってしまったが、本質的には同じ感想である。

ポン・ジュノという監督がやりたいことは、現代社会を揶揄することである。

彼が描きたいのは、事件の裏に見え隠れする人間を描写することでもなければ、もちろん怪獣(怪物)でもない。
彼が切り取りたいのは、社会(ことに韓国に対する)という「風俗」だ。
それは、大卒ウンヌンやデモに関するクダリ、役人の袖の下など、様々な所に見え隠れする。
「俺が韓国人だったら・・・」という理由はそこにある。

同じ韓国人でも、ホ・ジノやキム・ギドク、あるいはパク・チャヌクなども現代韓国風俗に関わる描写が出てくるが、それはあくまでスパイスにすぎず、彼らが描く最終到達点は「人間」であり、もっと本質的な「何か」である。

さらに腹立たしいのは、この監督、社会に対して「パンチ」を喰らわせる気は無い。あくまで「揶揄」なのだ。
分かりやすい例は怪物の発生原因。初代ゴジラや平成ガメラの発生原因は、社会に対するパンチだった。だから「最後の一匹とは思えない」「敵に回したくない」という言葉が生きるのである。そこがSFなのである。

この怪物とそれを巡る事件を「(韓国)社会の矛盾」と見ることは容易である。
だが、その原因であるアメリカ人の指示と、家族が解決することに、本質的な意味は何も見えてこない。だから単なる「揶揄」にすぎないのだ。
それとも、韓国人だったら「アメリカ」と「家族」の因果関係に納得するのだろうか?
この怪物が、高度経済成長と因果関係を持つヘドラだったら、「パンチ」だと納得できるのだが。

結論を言えば、部分部分は巧いと思うのだが、この監督の描きたいものはどうも飲めない。ことに人物造形は好きになれない。

私は、「社会に適応出来ないダメっ子」には感情移入するが、マヌケやバカは嫌いである。
ぶっちゃけ、バカのおかげで娘がさらわれ、バカのおかげで父親が命を落とすのを見て、何に感情移入しろというのか。単にお話し転がすための「ご都合主義」じゃないか。タンパク質なんかどーだっていいんだよ!
しょーもないお笑いなんか期待してない。いや、これが底抜けコメディーってんだったらいいけどね。実際、怪物を倒すシーンなんて腹を抱えて大爆笑したから。
ああ、分かった。韓国の笑いって、「バカ・マヌケ」で取る笑いだから嫌いなんだ。

今にして思えば、『宇宙戦争』はよくできていたな。

日本公開2006年9月2日(2006年 韓国)

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