November 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

近松物語




監督:溝口健二/BS/★5(90点)本家goo movie

セカチューより純愛。近松より近松。
スター嫌いの溝口が、「長谷川一夫で撮れ」と永田ヤーさん雅一に言われて渋々やらされた企画物だという。

正直言って、近松原作は今の時代には面白くないのだと思っていた。五社英雄監督作とか堀川弘通監督作とか篠田正浩監督作とか篠田正浩監督作とか篠田正浩監督作とか。あ、篠田作品2つしかない?

初めて近松物で面白いと思った。めっちゃ面白かった。溝口作品で一番好きかもしれない。
舟のシーンなんか『雨月物語』より美しいと思うがね。

今まで近松物が面白くなかった理由がハッキリした。監督が悪かったから。いや、違う。いや、それもあるけど、そうじゃない。
心中しようと思う過程が淡白だったんですよ、他の近松物は。
「近松なんだから当り前でしょ」くらいに思ってやがんですよ、篠田正浩とか篠田正浩とか。

いや、それも分からんではない。「恥を晒すくらいならいっそ・・・」という心情は理解できなくもない。江戸時代だったら通用したかもしれない。
しかしそれが現代(といっても60年前だが)では通用しないことを溝口は分かっていた。篠田正浩には理解できなかったようだが、溝口には分かっていた。

徹底して主人公を追い詰める。
「堕ちていく女大好きー!」なサディスティック・溝口は(スター嫌いも重なったかどうか分からないが)主人公達を徹底して追い詰める。香川京子の儚い美しさが観る者の心に拍車をかける。
ここまで逃げ場を失ったら、死を選んでも不思議じゃない。
そこで心中しても私は納得しただろう。いや、むしろ、美しい二人のまま、そうしてほしいとさえ思った。
だが、溝口はそれすら許さない。
それどころか、もっと驚愕する「馬上での表情」を見せる。

しびれた。

余談

長谷川一夫が山を駆け降りるシーン、遠景すぎで長谷川一夫かどうかすら分からないのに、溝口は本人に走らせたそうだよ。何度も何度も何度も何度も。
「溝口さんっていつもこうなの?(肩で息をしながら)」と長谷川一夫が周囲にこぼしたとかこぼさなかったとか。

1954年11月23日公開(1954年 大映)102分

comments

   

trackback

pagetop