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時をかける少女




監督:細田守/新宿テアトル/★5(90点)
本家goo movie公式サイト

カ・イ・カ・ン
それは薬師丸ひろ子だが、そう言いたくなるほど気持ちよかった。
いやもう、カ・ン・ペ・キ。完全無欠の青春映画。

私は切ない映画が好きである。痛みの伴う、根底に悲しみの流れる映画が好きである。
そして「真夏の出来事」映画が好きである。
いろいろあって、様々なことが起きて、失うことの痛みも知った主人公がふと見上げると、まるで成長の証のように青空が広がっている。そんな映画が大好きである。
ちなみにそんな「真夏の出来事」映画の代表は『妖怪ハンターヒルコ』だと私は言っているのだが、誰も賛同してくれない。

しかしこの映画なら賛同してもらえよう。
誰が観ても、平山三紀が観ても、本作は間違うことなき完璧な「真夏の出来事」映画であるに違いない。気持ちいい。そして少女主観の視点が一貫している。軸にブレも迷いもない。気持ちいい。実に気持ちいい。

この映画を観ている最中、私は学生時代にタイムリープし、真琴と一緒に泣いたり笑ったりした。
こうした甘酸っぱい経験の大半は生憎男子高だったため大学時代だったが、映画は高校生が正解。中学生では幼すぎるし、大学生では社会が目前に迫っている分生々しすぎる(これは以前も書いたが、大学生主人公の秀作を観た記憶がほとんどない)。

こうして心地よくタイムリープした後で現実に目を向けてみれば、まったく個人的な話だが、細田守監督は私と同じ歳らしい(『ゲド戦記』宮崎吾朗もそうらしい)。ご本人にお会いしたことはないが、脚本の奥寺さんは私の友人の元カノである(その友人達の影響で、スタッフ・キャストはたいがい呼び捨ての私も彼女だけは「奥寺さん」と呼んでいる)。こうした同世代がこんな完璧な映画を作り上げているというのに、私は何とボヤボヤ生きてきたのだろう。私が見上げても都会の灰色の空しか見えない。まったく個人的な話だが。

2006年7月15日公開(2006年 角川ヘラルド)


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