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陽気なギャングが地球を回す




監督:前田哲/シネカノン有楽町/★2(31点)
本家goo movie公式サイト

話も映像も「机上の空論」。この映画にはロマンがない。

象を冷蔵庫に入れるなんてのは、「エレファントゾーク」といって栃木県のローカルラジオ局で20年も前に一世を風靡したネタ。最近じゃリプトンがCMで使ってた。本当はキリンじゃなくてナウマン象だかインド象だかだったんだけどな。その後、マンモスも入れるんだ、本当は。冷凍庫に。
ちなみに私が一番好きなエレファントゾークは次のようなもの。

「高校生にして北斗神拳の奥義を会得した私は、授業中に前の席の友人の秘孔を突いた。彼はどうなったか?」
答えはレビューの最後に。

で、やっと本題。
この映画に描かれているのは全てただの「道具」にすぎない。

その端的な例が子供。本当の父親と新しい父親になるかもしれない男の間で(それっぽい台詞が一つあるものの)揺れ動くこともなく、単なる「事件の道具」のまま終始する。
抱きかかえながら「子供って重いの」というダブルミーニング台詞を吐くものの、扱いはまるっきり軽いのだ。

主人公達の特殊能力も同様。
せっかくのScienceFictionは単なる「きっかけ」に使われているだけで、物語の根幹に関わることはない。結局、ドラマ終結の要因は古田新太の特殊製品じゃないか。

例えば、あの凡庸なキスシーン。俺なら、混乱した鈴木京香に「あの時が何秒でこの時が何秒で・・・」とまくし立てさせるね。その口を突然唇でふさぐ。俺がふさぐ。せっかく「その体内時計、一度止まるといいな」って言ってるんだから、時間を語る口をキスでふさげばいいのに。ついでに言うなら、突然キスされた鈴木京香は一度は拒否すべきだね。それを嘘だと見抜く。そういうことのための設定だろーが。

結局この映画、全てが「机上の空論」。机の上で考えた面白気な展開とCGのカーチェイス。「がんばってる感」すらない。
エレファントゾークってのは机上の空論の面白さを追求したもので、言わば落語「頭山」に通じる笑いなのである。それを画面で見せて面白かろうはずがない。この映画が「机上の空論の面白さ」を追求したというならそれもいいだろう。だが結果として「だからどうした」以上のものはない。

で、冒頭のエレファントゾーク。答えは「何か用か?と振り向いた」

2006/05/13公開


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