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穴の牙

監督:鈴木清順/TV作品/CS鑑賞/★3(再鑑賞→)/(TVドラマ『日曜恐怖シリーズ』)

『ツィゴイネルワイゼン』の習作という評は、案外当たりかもしれない

以前は「かなりレアだが、かなりアレだ」と書いていたのだが(以前のコメント)、改めて観てみれば、非常に「清順完成形」に近い。いや、画面(えづら)は低予算で散々だけどね。

清順映画は、多くの場合「女に翻弄される男」が「取り残される」物語である。
これはフランス映画にも似ているが、フランス映画の女性は肉欲を伴った肉感的な「生身の女性」であり、清順のそれは「亡霊」としての女性である。言い換えれば、フランス映画は「情欲」であり、清順映画は「情念」なのである。
清順作品で描かれる女性は(野川由美子3部作を除き)、幽霊的であったり亡霊的であったり狸であったりする。現世とあの世の中間に位置するような女性なのである(狸を除き)。
従って、それに翻弄される男は「夢現(ゆめうつつ)」の世界を彷徨うという構成なのだ。

やたらめったら緑を基調とした画面構成に何の意味があるのか知らないが、途中、緑色の竹に赤いリボンが結ばれている絵を見ると、ただ単に「緑色に血の赤が似合う」と思っただけなのかもしれない。

以下、チャンネルNECOサイトからの丸写し

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1979年・関西テレビ=大映企画=大映映画京都撮影所・48分・カラー
監督:鈴木清順 原作:土屋隆夫 脚本:大和屋竺
出演:藤田まこと 稲川順子 宮本毬子 原田芳雄 松村康世 牧冬吉 北村英三

人の顔面に命中した弾丸は頭蓋骨の中で一周し、弾痕から再び飛び出してくる。事件の責任をとらされて刑事は辞職するが、ふとしたきっかけで銀行強盗犯らが隠した強奪金の在り処を知る。深夜、刑事がこの土を掘り返していると、穴の中から犯人の亡霊が出現して…。

●1979年9月23日フジテレビ系にて放映

レア度:★★★★☆

TVドラマ『日曜恐怖シリーズ』の中の1篇。10年ぶりの監督作品となった『悲愁物語』の雰囲気を残しながら、翌年に公開されることになる清順美学の集大成『ツィゴイネルワイゼン』の習作的な要素も認められる橋渡し的な重要作。2003年の回顧上映の目玉として、“角川大映スタジオの倉庫から発見された幻の一本”として公開されたが、それ以降パッケージ化も放送もされていない。

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