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親切なクムジャさん




監督:パク・チャヌク/新宿シネマスクエアとうきゅう/★5(83点)本家AllcinemaOnline公式サイト

執念、情念、贖罪の道程。燃えた!痺れた!泣いた!
その話運びが『アメリ』に似ているという指摘もありますが、私は別の意味で『アメリ』と似ている感想を持ったのです。

恥ずかしながらパク・チャヌク初鑑賞。この映画の予備知識ゼロ。
『デリカテッセン』のジャン・ピエール・ジュネ監督でオドレイ・トトゥがスプーンを持ったあの不気味な色合いのポスターから「少女が人肉を喰う話に違いない」と思い込んだアルバトロスが買い付けたというまことしやかな噂流れる『アメリ』同様、私もこの映画を全然別の話だと思っていた。
親切なクムジャさんと街で評判の飲食店の女主人が、実は裏で人を殺し人肉饅頭を売っているという話だと思い込んでいた。つーかそれ、まんま『人肉饅頭』じゃん。

という私のヨタ話はさておき、ここからネタバレ。

婆さんの“ハサミ”があるじゃないですか。あれ、シール貼ってあるんですよ。「1−3」とか書かれたはがれかかったシール。おそらく「1年3組」なのだろう、きっと孫のハサミだったのだろう、と勝手に思い込んだ瞬間号泣ですよ。あのハサミ一つにどれだけの想いが込められているかを勝手に読み取って号泣ですよ。
何より巧いと思ったのは、“その瞬間”を見せなかったことです。
その想いを婆さんの表情とか仕種とかではなく、“ハサミ”という物体で物語る巧さ。
まあこのハサミの一件は単なる私の思い込みなんですけれども。

拘束された己の姿を夢想することで、復讐の虚しさや決して贖(あがな)いきれない罪を描写する見事さ。ストーリーテリングの巧みさ。情緒に流されず、安易な結論付けに流されず、エグすぎず、甘すぎず、まったくもって見事な「映画」。
だって「射程距離の短い銃」って設定だけでも燃えるのに、美しい女性であの構えを見せられたら、そりゃもう!

2005年11月12日公開(2005年 韓国)114分


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  • 月影の舞
  • 2007/02/22 2:20 PM
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