原田知世はいい。実にいい。原田知世を見ているだけで飽きない。
だからこの映画も「原田知世を見ているだけで飽きない」という話にすれば良かったのだ。
初恋(じゃないかもしれないけど)の人が、静かに蝕まれていく様を為す術なく見守ることしかできない男の話の方がよほど切ないのに。
初恋(じゃないかもしれないけど)の人に振り向いてもらえちゃダメだろ。だいたい彼女救ったのは中島みゆきだしな。
それに女子高生のクダリなんか全く意味が分からん。なんだなんだ?愛人・女子高生・初恋の人とタイプの違う三人に愛されて死んでいくのが男子の本懐って話なのか?
夜中にやってた竹中直人の笑えないコメディー番組みたいなノリのゲンナリスタートが、男と女の機微やら小粋な台詞やらを(半ば無理矢理)盛り込んで次第にフランス映画的な雰囲気になるにつれ(そういやザジフィルム配給だったな)、馬脚を現すセンスの無さ。
「手術中」のランプが消える描写なんて「何億年前のテレビドラマだ!」とスクリーンに物を投げつけるところだったぞ。よかったよ、手元に何も持ってなくて。
ウッちゃんが「楓の葉」って言った時にはガックリ肩を落としたぞ。映画館に「ガックリ」って音が響いたぞ。
風吹ジュン、鈴木京香、中山美穂、天海祐希、そして原田知世。
結局、“監督”竹中直人のやりたいことは「女優との共演」だけなのではないのか?
もうねえ、無意味なカメオ出演も「自主映画的お遊び」みたいで腹が立つ。
2005年8月13日公開(2004年 ザジフィルム配給)119分
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