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刺青一代

監督:鈴木清順/CS録画/★5(81点)本家gooDB

競馬に例えるなら「最後の直線ヨーイドン!」の映画。
要するに、最終コーナーを回るまで死んだフリをしているのだ。
高橋英樹演じる男も。“清順演出”も。

それまでだって、清順らしさがないわけではない。
後の『ツィゴイネルワイゼン』に似た雰囲気だって時折醸し出す。
だがそれは「鈴木清順の映画」だと思って観ているからであり、「鈴木清順上級者」のみ気付くものであろう。
まったくもって普通に「先の読める」ヤクザ映画の体をなしているのだ。

この「先の読める」展開が実はミソで、ヤクザ映画のそれは溜めに溜めたフラストレーション。最後はそれが爆発するカタルシス。エクスタシー。競馬に例えるなら、脚をためて最後の直線一気にかける展開。

ところが最終コーナーを回った辺りから様子が奇怪しくなってくる。“清順節”に鞭が入る。
「鈴木清順の映画」と思って観ていなかった人でもハッキリ分かる。
鈴木清順初心者は「これは違う。明らかに違う」と、ただならぬ気配にビビリ始める。
普通に「先の読める」はずの映画が「観たこともない」見せ場を迎える。
そして誰もがハッキリ悟るのだ。「ああ、これが清順映画なのだ」と。

これはそういう映画だ。

1965年11月13日公開(1965年 日)



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