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ウィスキー

監督:ファン・パブロ・レベージャ/パブロ・ストール/渋谷シネアミューズ/★4(65点)本家gooDB公式サイト

「そりゃあんまりだ」と思ったので、無理矢理解釈を広げてみる(レビューは思いっきりネタバレ)
本レビューは、ひたすら「ラストの解釈」、つまり「何故マルタは消えたのか」についてのみページを割く。まあ、1ページ、いや、半ページ足らずなんだけど。

「大金を手にしたから消えた。」

これが最も現実的な解釈だろう。だが、それは「現実的」ではあっても「映画的」ではない。
その程度しか物語を読み取れないなら、こんなレビューは書かない方がいい。

「ブラジルへ飛んだ。」

おそらくこれが最も正しい解釈なのだろう。
マルタはタバコを吸う。
最初にタバコを吸った直後、「二人の写真が必要だ」と言い出す。
これによって、タバコを吸っている時は何か思索していると解釈できる。
その後、マルタは度々タバコを吸う。
ハコボの弟・エルマンと出会い、その距離が縮まってからも繰り返し。

一番引っかかっているのは、「何故電話を切ったのか」という点だ。
相手はエルマンの奥さんだったと推測できる。
単純に言葉が通じなかったのか?それにしても何故無言で?
ここから邪推が生じる。マルタはエルマンに惹かれていたのか?
それならば、エルマンを追ってブラジルへ飛んだという解釈も成り立つ。
なにしろ、二人が空港で話すシーンは非常に印象的だったし。
だがこれでは、物語の中心が、マルタと弟・エルマンになってしまう。
そこで、敢えてもう一歩踏み込んだ解釈を展開してみよう。

「金をもらったことに失望した。」

物語の中心はハコボとマルタであるべきではないのか。
なにしろエレベータの中の二人はとても印象的なのだから。
その関係性に於いて、マルタは金のためにハコボの依頼を受けたのか?違うはずだ。
だが、代償として与えられた結果は「金」だった。それも法外な金額の。
マルタはそれに失望したのではなかろうか。

この解釈はおそらく間違っているだろう。
一番引っかかっている「電話切り」も意味をなさないし、
タバコを吸いながらの思索も意味を持たない。
だが、ドラマツルギーとしてはこの方が正しいのではなかろうか。

もっとも、マルタと言う名のショボイ事務員の女性が少しずつ変化していく過程こそ、この物語の中心だと考えるべきなのだろう。

2005年4月29日 公開(2004年 ウルグアイ=アルゼンチン=独=スペイン)


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