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監督:森谷司郎/CS/★4(69点)本家

基地外映画と聞いてはいたが、これほどとは。思わず唸ってしまうほどだ。

話そのものもそうだが、この企画(脚本)が通ったこと自体、制作者一堂気が狂ってるとしか言いようが無い。この時代は、これが許されたんだろうなあ。

橋本忍という色眼鏡を抜きにしても、唸るほど巧い、否、気の狂った脚本だと思う。

主人公が最初は呑気に構えていたのはよくある手法だが、そこから変貌していく様がまったくもって自然だ。もちろん役者の演技、演出もある。だが、エピソードの配置が実に巧いと思うのだ。

エピソードの中で、主人公を直接苛立たせるのは神山繁しかいない。それ以外は存外のらりくらりと“呑気”である。解剖した大滝秀治、引き金となる発言をする大学教授、そして同行する用務員。あらゆる“呑気”の中で、正木の狂気が際立ってくる。

“実話”を掲げると、それに甘えてしまう場合が多い。つまり、観客に納得させる「フィクションの構築」がなされない場合があるのだ。「納得しなくたってしょうがないじゃん。だって実話なんだもーん」と逃げられるのだ。だが、本作は違う。エピソードや描写を丁寧に積み重ねることによって、荒唐無稽とも思える話をリアルに見せる。うーん、巧いなあ。

まったくこの制作陣は唸るほど気が狂っている。

1968年6月8日公開(1968年 日)



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