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ベルヴィル・ランデブー

監督:シルヴァン・ショメ/新宿テアトルタイムズスクエア/★5(89点)本家gooDB公式サイト

カワイーだの萌え〜だの深遠なテーマだのといった流行アニメのドタマを無言でぶち抜く正真正銘の“アニメーション”
勝手な推測だが、日本のアニメは“マンガ”を動かすことで始まったような気がする。
一方、ヨーロッパのアニメは“映画”を絵で表現するところから始まったのではなかろうか。
ま、勝手な推測なんですけど。
そんな根拠のない推測をしてしまうくらい、圧倒的な文化の違い=圧倒的な大人の文化をこの映画は感じさせる。

根底はジャン・ピエール・ジュネのそれと似ている。
全体の雰囲気が『ロスト・チルドレン』に似ているのもさることながら、古き良き時代のツール・ド・フランスや街並みの描写が『アメリ』で批判された古き良き時代のフランス“箱庭”と類似する。いや、もう、ジュネうんぬんよりも国民性なのだろう。
横断歩道のクダリなんかは抱腹絶倒したのだが、考えてみれば、まるで北野武映画のギャグシーン。なるほど、北野武がヨーロッパでウケる理由はこんな所にあるのかもしれない。

どうよ、この船や街並みの造形。どうよ、この観客もドン引きするほどのブラックジョーク。どうよ、この世界一ユルいカーチェイス。どうよ、この感動もヘッタクレもない再会シーン。どうよ、このバカ犬っぷり。
ストーリーだとか、実写と見紛うばかりとか、押しつけがましい感動とか、全然まったく一切関係なし。

動いてる絵を見ているだけで面白い。

これこそアニメーションの本質ではなかったか。
商業主義に流される以前のツール・ド・フランスが象徴するように、この映画は商業主義以前の“アニメーション”本来の面白さを体感させてくれる。

2004年最後の最後で差し切った、私のブッチギリ年間ナンバー1映画。

2004年12月18日公開(2002年仏)80分


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