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恋の門

監督:松尾スズキ/渋谷シネマライズ/★4(63点)本家gooDB公式サイト

彷徨える青春のリビドーは肯定。酒井若菜は全肯定。
最初にハッキリきっぱりビシーッッッと言っておこう。酒井若菜全肯定。
思えばただのグラビアアイドルくらいにしか思っていなかった彼女との再会はテレビ「木更津キャッツアイ」のモー子。以来私は彼女をモー子と呼び続け、同じクドカン脚本の「マンハッタンラブストーリー」はもちろんのこと、「ホーム&アウェイ」や岡田惠和脚本の「恋セヨ乙女」「もっと恋セヨ乙女」、果ては「ああ、探偵事務所」というくだらないドラマに至るまで、モー子のキャラクターを2年9ヶ月に渡って追い続けていた。そして今、それが花開き、やっと世間に(というかシネスケ内で)認知された。おめでとうモー子。ありがとう俺(<なんだそれ?)
好きだぞ。俺がチューしたいぞ。押し倒したいぞ。マジでマジで。

だが、そんな彼女がマルキ印のコスプレマニアだったらどうする?これはそういう映画だ。
すんごい二枚目なんだけど、貧乏で将来性の無いワケノワカラナイ芸術家の基地外だったらどうする?この映画は、そんな命題を我々に叩きつける。

オタク文化からの切り口も良かろう。だが私はさらに一歩踏み込んで、異文化との交流、いわば『未知との遭遇』ではないかと思うのだ。だから宇宙の描写が出てくるのだ(<絶対違う)。そして今の若者達が「キモイ」だか「キショイ」だかの一言で異文化をバッサリ切り捨てる風潮に対し警鐘を鳴らす映画なのだ(<多分それも違う)。

下手だの影が薄いだの言われつつも、私は松田龍平の役にも共感する。彼の行動は、まさに彷徨える青春のリビドー。青春の慟哭。あれは俺だ。俺の歩んできた道だ。だから俺が酒井若菜にチューしたいぞ。押し倒したいぞ。マジでマジで。いや、そんなことじゃない。だから俺は悲しかった。石のコスプレ(?)の彼が登場した時、当然コメディーシーンだから劇場内に笑いが起きるのだが、俺は切なかった。悲しかった。なぜなら、あれは俺自身の姿だからだ。間違った方向の努力は青春の特権だからだ。
だがしかし、それを「異文化交流」だの「青春のリビドー」だのと言えるのは自分自身が歳をとった証拠である。なぜなら、彼らにとってそれは客観視できる対象ではなく、今現在面前に迫った人生の一大事に違いないからだ。

あんまり熱いレビューに自分自身ビックリして4点にしてしまったが、本当は3点でもいいような気もする。正直、終盤の失速感は否めない。

「王道からの逸脱」(だったかな?)が、前半は観客の興味の対象、具体的には登場人物紹介とリンクしていたのだ。たしかに次々と観たことも無いものが出てくる。大竹しのぶもさることながら、それを上回る小島聖の怪演(『海猫』は一体何だったんだろう?)。
ところが、通常後半は観客の興味の対象が変わってくる。「これは何だろう?」から「どうなるんだろう?」へ。つまり、装飾から物語そのものへ興味の対象が移っていくのだ。それを装飾が邪魔する。言わば空回り。本当に面白がりたいのは物語自体なのにコメディで面白がらせようとする。「王道からの逸脱」による帰着点は本当にこんなんでいいのか?とすら思ってしまう。

長いレビューの最後にもう一つだけ。

松田龍平に聞きたい。最初に押し倒した時、酒井若菜の胸触ったでしょ。ねえ、触ったでしょ。ねえ、ねえ。

2004年10月9日公開(2004年日)


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