つまらねえ毎日から逃げだすぜ!現実からの逃避行!ダチ誘って車ブッ飛ばすぜ!ちょっとそこいくお嬢さん、何?港に行きたい?OK、オイラの車に乗りな!だけどオイラが愛してるのはコーヒーだけだぜ!というロケンロールなストーリー。マジで。
女なんて自分の目先の写真ばっかりパシャパシャ撮って現実的でさ、男なんてミエっぱりで自分の話ばっかりして遺跡よりウオツカの方がいいなんて自分勝手でさ、というロケンロールな話。マジで。
この映画が愛しいのは、このロケンロール精神に照れがあるというか、非常に奥ゆかしいからだ。
さらに、私は本作を「妄想」と理解したい。その方が非常に「奥ゆかしい」のだ。
せっかく妄想なんだからもっとハッチャケればいいのに(笑)って所が奥ゆかしいのだ。
シャイなまま、友人の恋の行方を見守るだけ。いや、正確には最後ちょっとだけハッチャケるんだ。バーンと車で店に突っ込むんだ。でも思い直すの。で、またミシン踏みに日常に戻るの。いやあ、奥ゆかしい。愛しい映画。
だから「愛しの」なんて大見得切ったタイトルより「君のスカーフが」って微細なポイントに焦点を当てたタイトルの方が似合ってると思うのだ。
原題?フィンランド語なんて知らねえよ
(1994年フィンランド)
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