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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

監督:水島努/渋谷東宝シネタワー/★3(42点)gooDB公式サイト

この監督のクレしんは人と人とのヒューマンなぶつかり合いに欠けている。
その一方で制作者の意図と関係なく映画的な面白さを再認識できたので3点を献上する。

っったく、似顔絵とかどうでもいい。それはパロディーじゃないから。せめて西部劇にしてほしかったよ。ていうか、西部劇知らないでしょ。

たしかに『大人帝国』と『戦国大合戦』は異質であったことは認める。だがそれ以外の原恵一監督作でも、多少なりとも野原しんのすけに人間味があった。人間的なぶつかり合いがあり、人間的な傷みを伴っていた。我々が涙したのは、何度も転びながら傷つきながらタワーを駆け登る野原しんのすけの姿であり、心許した優しいオジサンが息絶える様を呆然と見つめる野原しんのすけの姿だったのだ。
ここにいるのはただの超人じゃないか(ただの超人って何だ?)。
「西部劇知らないでしょ」というのは正にこの点で、西部劇に超人は登場しない。超人に見えるだけで生身の人間だ。生身の人間が、コンマ何秒の差で生死を分ける息詰まる極限の対決をするのだ。銃をぶっ放すことが西部劇じゃない。何故対決しない。何だあの変な巨大ロボは。

つまり、映画の面白さというのは、人と人との(肉体的に限らず精神的な)ぶつかり合いなのだと再認識した。ありがとう。

基本的に退屈な映画なのだが、3ヶ所だけ面白い所があった。

その1。
ラスト、ヒロインの少女(名前失念。おじゃるの貧ちゃんの声であることしか覚えていない)がアッチの人間だと知ったしんのすけがスクリーンに飛び込もうとする。涙を誘う名シーン・・・になるはずなのだが・・・。
ここでもまた人間味が薄い。
諦めが早すぎる。言葉なんかいらない。態度で示せ。5回でも10回でも20回でも30回でもスクリーンに飛び込め!せっかくのシチュエーションがもったいない。

つまり、映画は言葉じゃないということを(逆説的に)再認識した。ありがとう。

その2。
中盤。ここが最も「映画って面白いなあ」と感嘆した箇所なのだが、劇中の映画が動き始めて止まっていた時間(太陽)が動き始めるシーン。
この瞬間、劇中映画の物語ばかりでなく、この『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 』という映画の物語もまた動き出したのだ。
それまで「退屈な映画だなあ」と半ば睡魔に襲われそうになりながら観ていた本作が、ここに来て急に動き始め、睡魔なんてどこへやら、映画がグッと観客(少なくとも私)を惹きつける。ガチャガチャ騒いでいる(少なくともこの映画はアクションとは呼べない)ことが映画の面白さではない。

つまり、映画は物語を紡ぐことに面白味があるのだということを再認識した。ありがとう。

3つ目の面白かった点はどこかって?
リアル鬼ごっこだよ。

2004年4月17日公開(2004年日)


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