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ラーメンズ第14回公演「study」(特別追加公演)

at:ル・テアトル銀座
「鉛筆もノートも最後まで使い切ったことがない。中学・高校と6年間も勉強した英語もしゃべれない。読めるけど書けない漢字がたくさんある・・・」
男(片桐仁)のこんな独白で幕を開ける。
どうやら男は己の愚かな人生を振り返り、悔やんでいるようだ。

通常ライブ、ましてコントライブなら尚更、その登場に観客は沸くものだ。
だがラーメンズの場合は様子が違う。
真っ暗な舞台にライトが当たった瞬間にこの独白。冒頭から観客を異世界に誘う。我々は息を呑んで展開を見守る。

自己を振り返る片桐の傍らに立つもう一人の男(小林賢太郎)。
世界がいかに広大で、その中でいかに人間はちっぽけな存在か、といったような事を説いている。
その厳かな口調から推測するに、彼は宗教家か何かのようだ。
どうやら、彼の話を聞いた男が自己を反省していた、そんな始まりだったようだ。

つまり、物語の基本が「起承転結」なら、この舞台は「承」から始まったことになる。

宗教家らしき男は、自分の話に感銘を受けた男に、さらにこう続ける。
「目に見えるものは本当は真実ではない」と。
そして厳かな口調で念を押すのだ。
「分かりましたか?」
「分かりました」
「では、伺います。私の万引きを見逃してくれますね」
「んんん〜。それはどうかなあ」

ここで設定は180度別世界になってしまう。
「宗教家」と「迷える小羊」と思われた二人は、実は「捕まった万引き犯」と「警備員(アルバイト)」だったという訳である。

そしてこれは、起承転結の「転」であると同時に、万引き犯と警備員の物語の「起」でもあるのだ。

たまたま「絶妙なミスリード」を例としたが、「世界観の構築」こそラーメンズの(正確には小林賢太郎の)真骨頂である。
小林はディズニーランドが好きなのだそうだ。「徹底的に嘘をつき続ける」それが好きなのだそうだ。

すっかりプレミアチケット化していると言われるラーメンズの公演に行った。
小林賢太郎プロデュースの舞台は行ったことがあるので、ラーメンズを生で見るのは初めてではなかったが、コントライブは初めて。
全7話。たっぷり2時間。
何の装飾も無いシンプルな舞台で、不可思議な世界と笑いを存分に楽しんだ。

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