May 2019  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

ゼブラーマン

監督:三池崇史/新宿トーア/★3(45点)gooDB公式サイト

なっちゃいねえ。ヒーロー物をなめるんじゃない。
まず誉めよう。

ゼブラナース!

これだけで5点やろうと思った。鈴木京香の女優魂を見たね。写真欲しいね。袋とじで。

彼女をはじめ豪華キャストの競演も楽しかった。ドラマのストーリーと現実の事件がオーバーラップするクドカンお得意の二重構造もクドカン的なギャグも面白かった。「やべぇ、浅野さんに見せてぇ」なんてクダリは笑った笑った。

恥ずかしながら三池崇史初体験。それがこの映画だったのは正解だったのか?不正解だったのか?どうにもこうにも三池演出にノレなかったのだ。

三池映画に私が持つ偏見的なイメージは「演出は巧いけど話は荒唐無稽」。チャチなCG、ディテールそっちのけで収拾つかなくなるほど話が肥大化してとりあえず爆発する。イメージ通りだったと思うのは私だけか。

そういった部分がいけないと言っているわけではない。私は荒唐無稽な話を批判するつもりはないし、決して嫌いではない。
だが、テレビ特番か何かで素直な演出がされていたら、本作はものすごく面白い話かもしれないと思った。個性派監督と個性派脚本家は食い合わせが悪いのかもしれない。

それ以前にヒーロー物である点に問題があるのかもしれない。

クドカンの脚本は、変化球で斜めからの視点で茶化しているような所があるのが常である。ラブストーリーや青春といった、真正面から切り込んで行ったらこっ恥ずかし世界を斜めから切り込んで笑わせたり泣かせたりするから面白いのだ。
初めて観た三池崇史のスタンスは知らないが、彼だって真正面から真面目にテーマを掘り下げる類の監督ではないことくらいは私も知っている。

つまりこの「斜めの視点」の二人のコラボレーションは、「ヒーロー物をなめてる」ようにしか見えないのだ。

その結果、ヒーローの立ち姿一つとっても、かっこよくない。
かっこよくないから感情移入できない。感情移入できないから盛り上がらない。

ヒーロー物なんだか、SFホラーコメディーなんだか、まるでサム・ライミかジョン・カーペンターの如く「何でもアリ」の展開は、かえって「サムやカーペンターって凄いな」と思わせ、体育館など学校のシーンは「塚本晋也の『妖怪ハンターヒルコ』は良くできていたな」と思わせた。
つまり、「こんなアクションが撮りたい」「こんなシーンを撮りたい」「こんなヒーローを描きたい」といった熱い想いが監督になく、ただ小手先で料理しているだけにしか見えない。
先に述べた恋愛や青春といった、私の思い入れの無いジャンルだったら、逆に「こいつらふざけやがって(笑)」と言えただろう。いや、取り立ててヒーロー物に強い思い入れは無いのだが、普通の男子ならば多少なりともヒーロー物を見て育ち、自分の中に大なり小なりヒーロー像を抱いているはずだ。

「なっちゃいねえ」

哀川翔の劇中台詞と同じことをこの映画に言ってやろう。
金子修介の『ゴジラ』や『ガメラ』を観てみろ。彼の怪獣映画に対する熱い想いがビシバシ伝わってくるじゃないか(怪獣とヒーローを一緒にするなと言われそうだが)。
雨宮慶太(巧いとは言い難いが)とか、今度キャシャーン撮るのは宇多田ヒカルのダンナだっけ?とか、この手の映画を撮りたくて撮りたくてしかたがない奴らがいるってのに、こんなおちゃらけた映画がヒットするかと思うと悲しくなってくる。
それ以前に、三池崇史が「映画そのものをなめてるんじゃないか?」と思い始めて腹が立つ。

そもそもヒーローは人知れず地球を救うものなんだよ。拍手喝采「ゼブラコール!」なんて巻き起こるのはヒーローじゃない。

2004年2月14日公開(2004年日)1時間55分


comments

   

trackback

pagetop