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ラスト・サムライ

監督:エドワード・ズウィック/新宿ミラノ座/★4(75点)gooDB公式サイト

これは『人狼』と同じ架空の日本の物語だ。そして「価値観」を問う物語だ。
「黒澤やりてえ、黒澤やりてえんだよぉぉ!」と言うズウィックに、何だか怪しい新興宗教にはまっているトム・クルーズが「武士道精神と俺の宗教は同じだ」と勘違い(?)して出演ばかりか金まで出したという一品。
「トム・クルーズの持ち込み企画は信用するな」という私の鉄則があるが、これはズウィックの持ち込み企画。

結局二人は『七人の侍』を目指したそうだが、決してズウィックは巧い監督ではない。
出来上がってみれば『ラスト・オブ・モヒカン』な『ブレイブハート』で『ダンス・ウィズ・ウルブス』の『セブン・イヤーズ・イン・チベット』。おまけにペキンパーで最後は『さすらいのカウボーイ』かっ。

この映画の真の主役は渡辺謙演じる勝元である
(事実、エンディングスクロールではトム・クルーズよりも上にクレジットされている)。
押し寄せる近代化という「価値観」の波の中、「最後の侍」が己の「価値観」を貫き通そうとした物語だ。
それを第三者である外国人がメモった物を、なんとかいう写真屋のこれまた外国人が書き起こした物語なのだ。だから多少描写が変でもいいのだ。

目頭が熱くなった?冗談じゃない。
泣いたよ。映画館でボロボロ泣いたよ。

数多の「散りゆく武士」の物語を観てきたが、なんら遜色ない。
戦術が無謀だぁ?いいんだよ、ありゃ『影武者』やりたかったんだから。
総ての散りゆく武士の物語は「刀が銃に破れる」ってのが基本かつ王道。そこに「刀の時代の終わり」「時代の変遷」が凝縮されるのだ。

でもラストの2エピソードが余計(たとえ一つは空想でも)。
勝元が死んだ所で終われば良かった。ていうか、トム、お前も死ね。壮絶に死ね。
それで帰りを待ちわびる小雪の姿で終われ。
んなこと言っても無駄か。所詮ハリウッド映画。それこそ「価値観」が違う。
ついでに言やチューも余計だったが、通常のハリウッドだったらヤッちゃうだろうから、まあ許そう。

この手の「東洋の神秘物」は主人公の動機が不透明な場合が多い。なにしろ「神秘」だからね。
ところが本作はそんなことはない。
ネイティブアメリカンの仇を官軍で討つ。いいじゃないか、江戸の仇を長崎で討ったって。長崎から船に乗って神戸に着いたっていいじゃないか。

年に一つくらいはこうしたまともな時代劇があっていい。というか、あってほしい。

余談
思えば昨年の日本アカデミーの授賞式に真田広之はニュージーランドからの中継で出ていた。一緒に渡辺謙と原田眞人もいた。何やってんだ原田眞人?日本側スタッフの一人か?と思っていたら出てんのかよ。

余談2
真田広之が格好良すぎてカットされたって本当かなあ?
ちなみに渡辺謙がやたら誉められているが、俺の好きな渡辺謙はあんなもんじゃない。
御家人斬九郎の方が断然良かったぞ。斬さん映画化しておくれよぉ。

日本公開2003年12月6日(2003年米=ニュージーランド=日)154分


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