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トップガン



国際問題だぞ、これ。


監督:トニー・スコット/Amazonプライム/★2(40点)本家


トム兄の新作が『トップガン』の続編だという話から「そういや観てねーな」ということに気付いて2020年に鑑賞。
いやもう中身なんもない酷い話。鑑賞に値する内容じゃない。こんなもん国際問題ですよ。

もしこの映画に観るべき点があるとしたら、“ナマ”F-14のドッグファイトしかない。
子供って、無駄に電車とか働く車とかに興味を持って詳しかったりするでしょ?私ね、小学生の頃、戦闘機マニアだったんだ。

トム兄が操る戦闘機「F-14」の通称は「トムキャット」。「ふられ気分でRock'n' Roll」ではない。
可変翼(主翼が開いたり閉じたりする)が特徴。私が小学生の頃の最新鋭機。美しい機体で大好きだった。あと、当時開発されたばかりのF-16ファイティング・ファルコンが好きだった。F-16は『トランスフォーマー』にも出てくるくらいロングセラーなんだけど、トムキャットは短命で、意外と希少なんですよ。劇中「高けぇ機体なんだよ」的な台詞がありますが、高価だったらしい。デカイし。正確には、デカイが故にエンジンを2機積まないと推進力が得られなかったから高価になった。その代わり速かったらしいですよ。

トニー・スコットは「格好いい絵面」しか興味がない人だったので、いろんなことが全然説明されないんですよね。

トムキャットは空母に艦載される艦隊防空戦闘機なんです。
要するに、空母を守るための要撃機。空母を攻撃しに来る敵機と空中戦をするための飛行機。
その強力な空対空ミサイルを活かすために強力なレーダーが必要で、後部座席にレーダー担当が座ってるんです。
台詞で「俺じゃなくて、俺たち(がMiGを見つけた)」と言うものの、後部座席の彼がもっとトム兄の片腕的存在であることが描かれないと、説得力が弱いと思うんですがね。「親友」というか「飲み仲間」って印象しか残らない。父親のことなんかどーでもいい。そんな暇があったら、描くべきことをきちんと描かなきゃいけない。

ちなみにMiGがソ連機だってことは、今時の人は分かるのかしら?
我々の世代はMiG-25が函館に亡命した事件をリアルタイムで知ってるけどね。
劇中、ベトナム戦争に触れる台詞が少しあるけど、ベトナム戦争でF-4ファントムはだいぶMiGに苦しめられたらしい。新谷かおる「ファントム無頼」でおなじみF-4機は日本の自衛隊に採用されるほど大ヒット艦上戦闘機だったんだけど、ベトナム戦争で空中戦の弱点を露呈したらしいのね。それを受けて、F-4ファントムの後継機としてF-14トムキャットが開発され、空中戦に強いエリートパイロット育成のために『トップガン』という育成機関が生まれたわけ。
そう考えると、ベトナム戦争後の冷戦期だったから成り立った映画。

余談

新作『トップガン』の予告を観たけど、トム兄教官と親友の息子の話らしいんだが、35年も前の続編だから、この息子ももうアラフォーのはずだぜ。むしろ孫の世代でもいいくらい。

予告編で観る限り、今度の機種はEA-18Gグラウラーなのかな?
トムキャットの後継機がホーネット(スーパーホーネット)でその後継機がグラウラーだから、やっぱり孫の世代なんだよ。

(20.05.17 オンデマンド鑑賞)

(1986年/米)

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