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ロニートとエスティ 彼女たちの選択



古い因習と偉大な亡父に苛まれる横溝正史のような話(<大嘘)

監督:セバスティアン・レリオ/恵比寿ガーデンシネマ/★4(72点)本家公式サイト
原題は「不服従」とでも訳すのだろうか。
そう考えると、日本語に「従わない」ことを意味する端的な単語が見当たらない気がする。国民性かな。
おそらく買い付けの関係で(古くなると買値が安くなる)製作から3年経って日本公開。こういう小品はどんどん不遇な扱いになっている気がする。

『女王陛下のお気に入り』でありリアル・ボンドガール(ダニエル・クレイグ夫人)のレイチェル“姉御”ワイズ(Wレイチェルなので以後「姉御」と呼称します)が、寅さんよろしく帰郷するわけです。
帰ってこられた側(寅さんなら「とら屋」側)=父の弟子で友人のラビの男とレイチェル“アバウトタイム”マクアダムスにしてみれば、『ゴジラ』襲来と同じなのです。
つまりこの映画は、『ゴジラ』や『男はつらいよ』と同系統の「突然の訪問者が既存の世界を変えて去っていく」という典型的な「鶴の恩返し」パターンです。
「まるで横溝正史」的なことも書きましたが、どこからともなくやって来て事件を解決して去っていく金田一耕助も、ある意味「鶴の恩返し」パターンなのです。

パターンは同じ分類でも、そこで描かれる物語は大きく異なります。
この映画で描かれる物語は「女性の目覚め」(ラビ男の「リアル『男はつらいよ』」という見方もできますが)。
『ナチュラルウーマン』の監督だと気付かずに観ていたのですが、この監督は「性」を通して「自分らしさ」を描くのが好きなのかもしれません。

なんとなくですけど、同性愛設定の映画って、男性の場合は内省的・個人的な作品が多い印象ですが、女性の場合は「自己の解放」といった側面が大きく、それが「女性の解放」と重なって、時代性を帯びるような気がします。

あと、この映画や『キャロル』だけの印象かもしれませんが、女性同士は冬のイメージがあります。一方、男同士は「夏」「肌見せ」感がある。『君の名前で僕を呼んで』とか。



日本公開2020年2月7日(2017年/英)

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