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シャレード〈デジタル・リマスター版〉



ヒッチコック風お洒落サスペンス。今観ると、今時ハリウッドの原型に思える。

監督:スタンリー・ドーネン/BS/★4(88点)再鑑賞→(本家
実はヒッチコック風で好きな映画なんだけど、20年ぶりくらいの再鑑賞。正直言って、何度も観て新たな発見がある映画ではない。

1950年代後半、ヒッチコック×ヘップバーンの企画が流れたという(「判事に保釈なし」という原作だそうだ)。
ヒッチコックは『泥棒成金』(1955年)から『北北西に進路を取れ』(1959年)の頃。
ヘップバーンにとってはメル・ファーラーと結婚し、2度も流産した頃。
ヘップバーンは出演を熱望したという説もあれば、脚本中のシーンが不満で断ったという説もあり、実現しなかった理由は明らかになっていない。

63年の『シャレード』はその予告編で「サスペンス」「コメディ」「ロマンス」を売りにしている。
ヘップバーン映画は「コメディ」「ロマンス」が多い印象がある。実際はそうでもないのだが、後世に残るヒット作は「ラブコメ」物が多い。そこに初めて「サスペンス」要素を加えたのが本作ということになる。
この「お洒落サスペンス」路線を広めた一人が他ならぬヒッチコックだったと思う。
しかしヒッチコックは1960年に『サイコ』で大きな方向転換をする。有名女優主演のお洒落サスペンスから、本格スリラーへ。
ヒッチコック×ヘップバーン企画が実現しなかったのは、ヘップバーンの私生活とヒッチコックの興味の変化がちょうど重なったからだったのかもしれない。

それでも「お洒落サスペンス」路線は集客力があったのだろう。ヒッチコックとは関係なく「お洒落サスペンス」は量産され、この映画はその中の一つにすぎない。
実はよくできた話なのだが、今となっては2時間サスペンスでもこの程度の話はあるだろう。もしかすると、オードリー・ヘップバーンでなければ後世に残ってない映画かもしれない。
今回(年齢を経て)再鑑賞して気が付いた。この映画の面白さは、映画的なものではなく、ストーリーなのだ。

この有名俳優×流行企画という“集客力”精神は、今日のハリウッド映画の原型になってるような気がする。そういった意味では罪な映画だ。



(1963年 米)

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