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家族を想うとき



せめて正しい方向性を示す邦題にしようよ。この映画の家族より観客が可愛そうだ。

監督:ケン・ローチ/ヒューマントラストシネマ有楽町/★4(70点)本家公式サイト
ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞。同じ日に上映していたのが、スペインの大ヒット作だという『だれもが愛しいチャンピオン』と『最強のふたり』のハリウッドリメイクという、私が最も観ないジャンルの映画群。その並びで『家族を想うとき』なんてタイトルを並べられたら、あたかもその程度の安易な感動映画だと思っちゃうじゃないですか、普通。
ケン・ローチ作品の邦題の酷さを毎度毎度指摘しているけど、今回は本当に観客が気の毒だった。私の見た限り、ほとんどの観客がいわゆる(ありきたりの)感動作を求めてた感じがしたんですよ。マジで。

以前も書きましたが、私はケン・ローチ先生は社会派ではないと思っています。市井の人々をまっすぐに且つ冷静に描く「写実派」だと思うのです。ましてや(世間的な)感動作を作る人ではない。

相変わらず「精神的に痛い」映画です。
分かりやすい安易な結論も提示しません。
もしこの映画でケン・ローチ先生が何かを提示しているとしたら、それは正しい答えや理想ではなく、「間違ってる現実」なのです。
主人公達の誰かが何か間違ってたわけじゃないんです。でも間違った現実が描かれるのです。

しかしケン・ローチ先生は、自身の発言ほど力強いメッセージを映画に込めません。大島渚のような戦う姿勢も見せません。むしろ淡々と、時に優しい視点で市井の人々を見つめるのです。煽るような真似は一切しません。でも痛いんです。

いやもう、Amazonで物を買うのをやめようかと思うほど痛い。でもそれが彼らの仕事になるんだよな。何が正解なんだろう?分からない。難しい。
映画自体は難しくないけど、正解がない難しさがある。ケン・ローチ先生の映画はいつもそうだ。



日本公開2019年12月13日(2019年/英=仏=ベルギー)

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