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いつかギラギラする日



公開当時は時代錯誤の古臭い映画だったが、21世紀の今となっては許容できる誤差の範疇。


監督:深作欣二/CS/★3(60点)再鑑賞→(本家
公開当時(映画館で鑑賞した)でも年寄り臭く古臭い映画だったんですが、意外と嫌いじゃないんですよ。27年ぶりの再鑑賞。ひゃぁ!

いろいろ語りたい映画なんですよね。

自宅で不倫相手に自殺されたスキャンダル女優・荻野目慶子を深作欣二が救ったはずが結局自分の愛人にしちゃうきっかけの映画だとか、バンド役で出演していた恩田快人にエキストラのYUKIがデモテープを渡してJUDY AND MARY結成のきっかけとなった映画だとか。
でもそれらは周辺情報でしかない(<自分で語っておいて)。
この映画の本質は山師=奥山和由にあると思うのです。

大林宣彦の言葉を借りれば「監督天国」である日本映画界で、奥山和由はプロデユーサー主導の映画作りを実践していました。その一つが「深作欣二にアクション映画を撮らせる」この企画。
ところがこれが「時代錯誤」の始まりだったと私は思うんですね。深作欣二がアクション映画を撮っていたのは70年代。この10年は文芸作品が中心でした(ザラついた映像観は変わりませんでしたが)。

結果、野沢尚に書かせた脚本は深作欣二では実現せず、奥山プロデュース作として北野武監督デビュー作『その男凶暴につき』となります。
もっとも、たけしが脚本を大胆に書き直したことに対して野沢尚は死ぬまで恨み言を言ってましたけどね。
最終的にこの映画は丸山昇一脚本で落ち着きますが、この人も松田優作の頃を引きずってる人だと私は思うんです。ここでも時代錯誤感。
奥山的には、深作&ショーケンの「傷だらけの天使」×「探偵物語」の脚本家という狙いだったのかもしれませんが、台本を見たショーケンは「Vシネみたいだ」と不満だったそうです。

Vシネ感を払拭するためだったのか、制作費がどんどん膨張して制作会社が一つ潰れたという話もあります。そういやこれ以降、山田洋行ライトヴィジョンの名前を見なくなった気がするけど、そうなのかな?
そしてなんと言っても、60歳すぎの深作欣二が30歳手前の荻野目慶子を愛人にしちゃったもんだから、錯乱してんのよ。なにその赤い風船?お爺ちゃんボケてんの?

ところが21世紀の今となっては、いずれにせよ「昔の映画」なんです。
当時感じた時代錯誤感なんか全部まとめて同じ時代感なんです。
「ロックだぜ」的なことも、内田裕也もそんなこと言ってたよね、お爺ちゃん達若い頃はロックロック言ってたのね、くらいにしか思われない。
そして奥山和由の足跡の一つとして「そういや時代の寵児とか言われてたな」程度の思い出になるわけです。

ただ、意外と嫌いじゃなかったんですよね。
たぶんその「そこそこ古い感」が逆に好感ポイントだったんでしょう。意外と頑張ってる感もあるしね。
今となっては「カーチェイス下手だな」とか思っちゃうけど。
あと、ショーケンは見てて飽きない。



1992年9月12日公開(1992年 日)

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