原作を全然知らないので勝手なことを言いますし、既によく知られた話なのかもしれませんが、私は「ロボオ」が『オズの魔法使い』のブリキの木こりに見えたんです。
そう考えると、荒川良々は脳のないカカシ、山田孝之は臆病なライオンに思えてきます。
そこに魔女たちが襲い掛かるわけですよ。石橋けいとか。口元から糸を引く石橋けいとか(<しつこい)。金塊を探ってるなんとかいう政治結社もある意味魔女側なのでしょう。
佐藤健は当てはまるものがないのですが(愛犬トトか?)、ドロシーではないことは間違いない。
つまりこれは、ドロシー不在のオズの魔法使いに思えるのです。
「オーバー・ザ・レインボー」よろしく、虹ではなく空の彼方に飛んでいく主人公たち。
しかしドロシーがいませんから「やっぱりお家がいちばん」とはいかない。
彼らは(というかロボオが出した最適解は)日本を脱出し、文明社会を捨てる。
There’s no place like home.
社会の底辺で生きる者たちのHomeは自然回帰なのか。
ただこの映画、私はちょっと生臭く感じるんです。
もう少しスコーンと抜けた感じだとカウリスマキの映画みたいになったのに。
2018年11月23日公開(2018年 日)
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