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となりの怪物くん



おじさんもキュンキュンしたお。


監督:月川翔/TOHOシネマズ渋谷/★3(50点)本家公式サイト
わざわざ映画館で観た。しかも渋谷で!女子中高生で溢れかえった映画館で「夫婦50割引」はウチの夫婦だけだったろうね。
そう思っていたら、ポップコーンを抱えた女子中高生の間を縫って見知らぬお爺さんが近づいてきて「これはアニメか?」って聞くので「違う」と答えたら、「大野が出てるのか?」って聞かれたから「『怪物くん』違いですね」と教えてやったよ。あの爺さんまだ生きてるかな?

「青春恋愛映画」っていうんですか?この手の少女漫画映画に新たなジャンル名が必要だと思うんですよね。どっちかって言うと「アイドル映画」の系譜だと思うんですがね。大学生は酒飲みに行けるけど中高生はダメだから、映画でも観るしかないんですよ。健全だな。
で、この“JK・JC他にすることねーのかよ”少女漫画アイドル映画は、なぜか廣木隆一が精力的なんだけど(三木孝浩もいるか)、ここ数年の月川翔の躍進ぶりは目覚ましいね。

この手のジャンル全般がそうなのか月川翔の力量なのか分かりませんが、商品として安定してるんですよ。
おじさんとしては、同じ菅田将暉君主演の『溺れるナイフ』山戸結希の方が、危うさというか野性味というか不器用な感じが好きなんですけどね。有り体に言って、予定調和の安定した商品は映画として面白くない。

ただ、映画というか、この話で興味深いのは「母親不在」の物語だったことです。土屋太鳳演じる雫も菅田くん演じるハルも、気持ち悪いほど徹底して母親(=物語上の母性)を排除する。
西田尚美演じる叔母がチラと出てきて「ハルを認めてくれる存在」という母性を担ってるように見えますが、実際には雫へのつなぎ、言い換えればハルが雫を信じる理由付けでしかない。だってハルは雫の母性を遥かに凌ぐスーパーマンだから。雫唯一の取り柄の成績まで上回っちゃたらもう母性ウンヌンじゃないよね。
一方で“父性”はやたら出てくる。実の父親ばかりでなくハルの兄やもこみちに至るまで、厳しさと包容力とダメさ加減までありとあらゆる父性を網羅している。

もしこれが原作通りなのだとしたら、原作者は女性で、母親が嫌いな人なんだと推測されます。だって母親不在の設定に全く意味がないんだもの。
おそらく、この物語上の母性は原作者自身の中にあり、原作者はこの物語の登場人物に自己を投影していない。
おまけに映画の作り手が“商品”を目指しているから、観客はどこにも感情移入の先がない。
これがこの映画の本質なんじゃないかと思うのです。

じゃあ、おじさんは何にキュンキュンしたかって?前の日に新宿2丁目で飲んでたもんだから、池田エライザが女装男子にしか見えなくってキュンキュンしたんだよ。



2018年4月27日公開(2018年/日本)

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