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女は二度決断する



人類はどこへ向かっているんだろう?いろいろ考えさせられるけど、そんなに語りがいのある映画じゃない。

監督:ファティ・アキン/新宿武蔵野館/★3(68点)
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カンヌ好みの「生肉っぽい」映画の部類なのですが、そんなに「ド凄いもの見せられた」感はなく、ほとんど想像の範疇。いや、映画の出来は悪くないんですよ、ダイアン・クルーガーも熱演ですし。

それに、世界情勢についていろいろ考えさせられはしますが、正直言って映画自体の解釈の余地は狭いと思うんです。
この映画で議論する余地があるとすれば主人公の最後の行動の是非ですが、それは映画の解釈じゃなくて物議なんですよね。それに、監督の掌中で「誰が彼女を責められる?」という結論に導かれている気もしますし。
だいたいこの映画、直球ばっかりなんですよ。

というのも、たまたまこの映画を観た直後にルイ・アームストロング 「What a Wonderful World」を聞く機会があって、『グッドモーニング, ベトナム』を思い出しちゃったからなんですけどね。
ラジオDJという自然な設定で流れる「この素晴らしき世界」をバックに、ベトナムの戦場で死んでいく兵士や民間人の映像が流れる。それが映画的であり、なんなら文学的でさえある。いやまあ、ベタっちゃベタだし、バリー・レヴィンソンもそんなに評価してないんだけど、映画ってそういうもんじゃないかなあ。直球ばっかりがいいわけじゃないし、生肉も少しは調理した方がいいと思うんですよ。この映画のラストの曲の歌詞も含め、そう思うのです。

ただ、興味深かった点もあります。国民性の描き方。
ドイツ人の父親は息子の罪を証言し、一方トルコ人の母親は息子と孫の亡骸を持ち帰りたいと言います。これ、どっちも日本人の感覚には無い気がするのです。
監督自身がトルコ系移民の両親を持つドイツ人だそうで(ちなみに夫人はメキシコ系ドイツ人だそうだ)、そのせいなのかなあ?面白いなあ。

いずれにせよ、カウリスマキですら極右思想を登場させるほど、ヨーロッパの移民問題とそれを巡る対立は深刻なのでしょう。勉強になる映画ではあります。



日本公開2018年4月14日(2017年/独)

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