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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書



あーあ。「クソがっ!」って言っちゃった。


監督:スティーヴン・スピルバーグ/TOHOシネマズ渋谷/★3(50点)本家公式サイト
メリル・ストリープを観に行ったんですが、なんかもう、凄いね。いるよ、あんなおば様。そしてそのおば様がスーッと、変な力みとか過剰な演技とかなく、本当にスーッと変わっていくの。この人、本当に凄い。
(メリル・ストリープはスピルバーグ映画初出演だと思っていたんだけど、『AI』で声だけ出演してるみたいね)。

私は『ブリッジ・オブ・スパイ』の時に「スピルバーグの史実物は毒にも薬にもならない小学校の図書館の伝記本みたい」と書いたのですが、この映画も同じ。
その理由は分かるんです。
視点が一方的な勧善懲悪型なの。敵対側にも道理がある複雑さとか、悪役側の圧倒的な存在感とかがないから、上澄みすくった綺麗事に見えるんだと思うんです。

いや、相変わらず巧いんですよ。でも逆に巧すぎちゃって綺麗事に見えちゃう。これ、全く同じ内容でも、アジアとか中南米辺りの映画で武骨な演出だったら全然違う印象だったと思うんですよ。
料理に例えると、「噛みごたえ」がある方が味の出る素材なのに、スルッと飲めちゃう料理だった感じ。

この映画、リチャード・ニクソンにドナルド・トランプを重ねていることは明白だと思うんですが、劇中ハッキリと「ニクソンはクソだっ!」って言うんですよね。ここ最近の「アメリカ憂国映画」の中で最も幼稚。気持ちは分かりますが。



日本公開2018年3月30日(2017年/米)

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