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危険な関係〈4Kデジタル・リマスター版〉



ああ、そうか!西川美和『夢売るふたり』はこれの本歌取りだったんだ!

監督:ロジェ・ヴァディム/恵比寿ガーデンシネマ/★3(55点)本家公式サイト
実はこの話、ホ・ジノが監督した上海舞台のリメイク版しか観たことなくて、その時も思ったけど、しょーもない話なんですよ。何度も映像化、舞台化されてる理由が分からない。
いや、終盤の展開とか心理戦とかは面白くて、実写化したくなる気持ちは分かんではないんですが、設定が無理矢理すぎる。典型的なマッチポンプで、「お前が勝手に作った設定で勝手にそうなっただけじゃん」と思っちゃう。

原作は1782年に書かれた18世紀後半の貴族社会が舞台だそうで、物によるんですけど、やっぱり現代に翻案するのに限界ってあると思うんです。同時代の作家にマルキ・ド・サドなんかいて、退廃的、反社会的な作風がちょっとしたブームだったんじゃないかと思うんですね。そこにはそれを生み出す時代背景があったわけで、それが現代に合うかどうかが分かれ目だと思うのです。
これを映画化した1959年当時のフランスがどうだったのか分かりませんが、ローマの退廃的上流階級を描いたフェリーニ『甘い生活』が1960年ですから、もしかするとそういう「乱れた」時代だったのかもしれません。羨ましい。もっとも当初は「反社会的」だと物議を醸して上映禁止になったそうですけどね。
これを21世紀の今観てどうなのかな?って思うんですよねぇ。いっそ18世紀貴族社会そのままの設定だったら「時代劇」として飲めたんだろうけど。
あ、でも、アメリカは若い娘が尻軽らしいけどフランスは人妻が尻軽らしいことはよく分かった。参考になった(<何の?)。メモメモ(<だから何のために)

私は西川美和の『夢売るふたり』が『危険な関係』の本歌取り(あるいは進化版)だと思ったんですけど、設定に無理がないんですよね。やっぱり設定は重要。

余談

ただ、前述したように終盤は面白いんです。ちょうどアート・ブレイキー親分の「ナイアガラロール」ドラムが炸裂した辺りから。もっともドラム音と画面は全然一致してないけどね。それに演奏はアート・ブレイキーらしいけど出演してるのはケニー・クラークらしいって話だけどね(どこにもクレジット無いし顔見ても分かんないけど)。どうなってんの?

この映画のサントラ盤はジャズの名盤として有名なんだけど(それで映画を観てみようと思ったんだけど)アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ名義で、映画の音楽はセロニアス・モンクなのね。サントラ盤は映画のパーティーシーンの曲しか入ってなくて、それはアート・ブレイキー担当で、オープニングなんかはセロニアス・モンク(最近やっと未発表音源が発見されて発売されたらしい)という分類らしい。どうなってんの?ついでに言うなら、トランペットはリー・モーガンらしいけど、出演してるのは「静かなる」ケニー・ドーハムらしい。ほんと、どうなってんの?

こうした横道とムダ知識を書いているうちに思い付いたけど、リー・モーガンの実話の方がはるかに面白いと思うんだ。いろんな若い女に手ぇ出してて姉さん女房に33歳で射殺された早熟天才トランペッター。あ、『私が殺したリー・モーガン』ってドキュメンタリー映画になってた。



リマスター版日本公開2018年3月24日(土)(1959年/仏)

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