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エルネスト



おそらく阪本順治初の学園青春物(笑)。実話に基づいたいい話ってのはこういう映画のことを言うんだと思う。

監督:阪本順治/TOHOシネマズ新宿/★4(70点)本家公式サイト
私の中でここんとこ阪本順治作品は★2続きで、「そろそろ見切り時なんじゃねーの?」と言いつつ映画館に足を運ぶ2大監督だったんです。もう一人は誰かって?黒沢清だよ。
この作品も期待してなかったんですよね、オダジョーだし。オダジョーも素直に「いいっ!」って言える作品が少ない気がする。

ところがこの映画、意外にいい作品だった。ちなみに「学園青春物」ってのは、阪本順治本人が言ってるんだからね(笑)

キューバ危機のクダリがありますね。フレディが周辺でちょっとだけ関わったってのは大きなポイントだと思うんですよ。
ストーリー的には「中南米ナメとんのかゴラァ」と怒る必然性があるんですが、映画的には一度だけ高射砲を撃つことに意味があるように思うのです。
言い換えるなら消化不良感。
それが青春のモヤモヤと重なり合って次の行動へ進む原動力になった。
あの時点でガッツリ戦ったり、あるいは無関係であったなら、彼の人生は変わっていたかもしれない。
そういった意味でも正しい「青春物」だと思います。マジで。

実際、阪本順治は戦闘シーンに重きを置きません。
ゲリラ戦でフレディが見たものは、子供の頃に川で溺れた忌まわしい記憶の再来であったり、かつて支援していたはずの貧しい家の子との悲しい再会であったり。実に個人的なことなんですね。
キューバ危機がなぜ回避されたか、ボリビアの軍事クーデターがどんな状況なのか、「神の視点」での説明は一切せず、主人公視点でのみ描写する。

つまりこれは、英雄譚や知られざる偉人伝などではなく、熱血青年“一個人”の物語なのです。
最後のドキュメンタリーはただの「同窓会」なんですよ(笑)

阪本順治は『新・仁義なき戦い』辺りからしばしば集団劇に取り組んでるけど、やっぱり『どついたるねん』的な“個の物語”が向いてる気がするんですよね。

2017年10月6日公開(2017年/日本=キューバ)

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