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陽炎座



『ツィゴイネルワイゼン』が狐につままれたような映画なら、『陽炎座』は狸囃子で道に迷ったような映画。

監督:鈴木清順/北千住シネマブルースタジオ/★5(95点)再鑑賞(本家
15、6年ぶりの鑑賞。スクリーンで観るのは4度目くらいかな。
大学生の頃に旧文芸座の鈴木清順特集で『ツィゴイネルワイゼン』と共に出会った衝撃作。いや、マジで、衝撃だったんだよね。
その時、鈴木清順と脚本の田中陽造の対談もあって、田中陽造が「すごく脚本にダメ出しする監督で、そのくせどこがダメだか言ってくれない」と話し、鈴木清順はただ笑って聞いていたことを覚えています。

その割に『ツィゴイネルワイゼン』ほど観返してない『陽炎座』。
ストーリー自体は『ツィゴイネルワイゼン』より分かり易いのに、映画は『ツィゴイネルワイゼン』より分かりにくいんですよ。

その理由は演出。特に序盤はもうメチャクチャ。
続いてるはずのシーンで不自然にカットを割って人物の立ち位置を変えたり、逆にワンカットでパンして「あれは1週間前だったか、1ヶ月前だったか…」とか言って回想から現在に移動したり。これ、序盤でついていけなくなる危険を充分に孕んでいる。あと細部が分かんない。何度見ても意味不明。 謎の体位。回る舟。○△□・・・

ところが終わってみれば、『陽炎座』の方がインパクトがある。分かりやすいインパクトと言ってもいい。
鈴木清順爺さん、意図的にワケワカラン状態を作り出して観客を煙に巻いて、バーンとデッカイ見せ場を終盤に持ってくる。要するに「カマシテル」んですよ。
「鈴木清順の映画で最も過激」と呼ぶ人もいるくらい。

今回改めて観て感じたんですが、子供歌舞伎(?)浄瑠璃(?)やるじゃないですか。あれで歌いながら関係性を説明するんですが、これが分かりやすい。
鈴木清順って昔から歌って踊ってのミュージカル要素が意外と多いというか好きみたいなんですが(その集大成が遺作『オペレッタ狸御殿』・・・なのか?)、このシーンもその延長線上なのかもしれません。

ただ、清順爺さんの「オフザケ」もこの辺がギリギリじゃないかと思うんだよなぁ・・・。



(1981年 日)

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