September 2018  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

燃えつきた地図



これが後々「警視-K」に繋がるのだな。現代音楽みたいな映画。いろいろ噛み合ってない。

監督:勅使河原宏/ラピュタ阿佐ヶ谷/
★2(48点)本家
勝プロ製作第2作目だそうで、1作目は座頭市の中でも少し異色の『牢破り』。監督は赤いセシル・B・デミルこと山本薩夫。そして第2作の本作は勅使河原宏。大映スター勝新はプログラム・ピクチャーとは違う「起承転結に囚われない、分らない映画を作りたい」と思っていたそうです。

そこに勅使河原宏が即興演出で応えるんですな。見た感じ、ほとんどロケなんじゃないかと思うんですよ。
オールロケで即興演出。ヌーヴェルヴァーグの手法です。
「絵コンテを描いたりしなくても演出できることを知った」と後に本人も言っているそうですが、勝新はこれで即興演出を覚えてしまう。
これが後々、自身が監督する座頭市や伝説の不評ドラマ「警視-K」、あるいは黒澤明『影武者』降板劇に繋がったのですよ、きっと。

で、この映画、いろんなことが噛み合ってない印象、というのが私の率直な感想です。

そもそも勝新が“闇に飲まれていく”ようには見えない。彼なら自力でなんとかしちゃいそう。これは後に観た者の不幸かもしれませんが、勝新って豪放磊落なイメージじゃないですか。

あと、この話は「不条理劇」なんだと思うんですが、ロケで撮影した街にリアルな“熱”があるんです。新宿の南口辺りなんか特に。これが冷え冷えとした空気感だったら、まだ印象が違ったかもしれない。
通りすがりの女を枯れ葉で埋めるイメージシーンがありますが、これはそうした空気感(主人公の心象風景)の一つだと思います。ただ、そんなに効果的とも思えない。これがもっと「冷たい印象」があって、こうしたイメージが何度かあったら、だいぶ変わっていたと思うんです。

印象としては現代音楽みたい。それは永田雅一の意図とも噛み合ってなかったろうと思う。



(1968年 勝プロ=大映)

comments

   

trackback

pagetop